住宅ローンはどう選ぶ?種類や金利の違いを知って賢く選択しよう

2022年1月13日

住宅ローンには固定金利や変動金利などの違いや、民間融資やフラット35など借入先の違いがあり、種類も豊富です。違いを知ることは、自分の就業状況や家族構成、これからのライフプランに合う住宅ローン選びに役立つはずです。本記事では住宅ローンの種類や選び方について解説します。

住宅ローンを借りるプロセス

loan_1

住宅ローンとは、契約者本人や家族が居住する住宅を購入する目的で組むローンのことで、住宅を購入する人のほとんどが利用します。まずは住宅ローンの利用条件や、借入までの流れについて解説します。

住宅ローンを借りる流れ

住宅ローンは多額の借入となるため、審査に時間がかかります。職業、収入、年齢、健康状態、購入する物件の適正などの基準で、契約者に返済能力があるかが審査されます。

【住宅ローン借入までの流れ】

  • 借入をしたい住宅ローンの絞り込み
  • 事前審査
  • 本審査
  • 金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)締結
  • 住宅ローン融資実行
  • 住宅引き渡し

事前審査を通過後に住宅の売買契約を結び、本審査で申し込みする流れです。これは、住宅の売買契約後に、審査に通らないという事態を防ぐためです。

住宅ローンの種類【金利】

loan_2

住宅ローンの金利には「固定金利型」「固定金利選択型」「変動型」の3タイプがあります。それぞれの違いを知り、自分のライフスタイルに合った金利のタイプを選びましょう。

固定金利型

固定金利型は契約で定めた金利が、返済開始から完済まで変わらない住宅ローンです。市場金利が変動しても借入金利は変わらないため、 市場金利が低い時に借入れると、市場金利が上昇した時のリスクを減らせます。ただし、市場金利が下降した時でも金利が変わらないため、金利負担が大きくなります。返済額が変わらないので家計管理がしやすい点がメリットです。

固定金利選択型

固定金利選択型は返済開始からの一定期間、固定金利期間を選択できるローンで、固定金利期間終了後は変動金利型や固定金利選択型を選べます。固定期間中には変動型に変更できません。固定期間終了後に市場金利が上昇すると、金利負担は大きくなります。借入の際に、固定期間終了後の返済額が確定できないため、返済の計画が立てにくいのが特徴です。

変動金利型

定期的に金利が見直される住宅ローンです。変動金利型の金利見直しは原則年2回ありますが、返済額は5年ごとに見直されることが一般的。元金と利息の合計を調整して返済額を一定にするために見直しが行われます。市場金利が低下すれば住宅ローン金利も低下して返済額が減少し、市場金利が上昇すれば住宅ローン金利が上昇して返済額が増加します。

大幅に金利が上昇していて返済額が増加する場合でも、それまでの返済額の1.25倍しか上がらないというルールがあります。これは得をしているのではなく、実際は利息を多く払い、元本を少なくして返済額を保つ仕組みです。

住宅ローンの種類【借入先】

loan_3

住宅ローンの借入先は「公的」「民間」の2種類あります。現在の新規の住宅ローンのほとんどが民間金融機関のものであると言われていますが、勤務する会社の福利厚生によって選択肢が増える可能性もあります。よく耳にする「フラット35」についても解説します。

公的融資

財形住宅融資とは、会社の福利厚生の1つである財形貯蓄をしている人が借りられるローン。財形貯蓄を1年以上続け、残高が50万円以上あることを条件に融資を受けられます。会社が財形貯蓄の制度自体を採用しているかどうか、確認が必要です。融資額は財形貯蓄の残高の10倍以内、最高4000万円までと決まっています。

一方、自治体融資とは地方自治体が行っている融資ですが、すべての自治体が行っているわけはなく、行っている自治体ごとに条件があるため、条件に合えば融資が受けられます。

民間融資

民間融資とは、都市銀行や地方銀行といった民間の銀行などが行う融資のことをいいます。都市銀行や信託銀行、信用金庫やネット銀行なども含まれます。生命保険会社のローンやJAのローンも民間融資です。また民間融資の中には、ノンバンクといわれ預金業務はせずに融資業務のみ行う金融機関ローンもあります。一般的な民間の銀行よりも審査が甘く借りやすいのがメリットですが、金利が少し高めに設定されています。

民間融資には提携ローンといわれる、金融機関と不動産会社が提携して取り扱う住宅ローンも。対象の物件を購入する人のために準備されているローンなので、物件の審査は完了しており、通常のローンよりも簡単で審査が早いのが特徴です。さらに金利が優遇されることもあります。手続きは不動産会社が代行してくれるため楽でスムーズですが、自分の希望条件に合わない、手続きの代行手数料が必要な場合があるなどのデメリットも考えられます。

フラット35

住宅金融支援機構と民間金融機構が提携して融資を行っている住宅ローンです。15年~最長35年まで長期固定金利で変わらないのが特徴。金融機関が扱うローンの中には35年の固定金利もありますが、フラット35に比べて金利が高く設定されています。その他の特徴は、保証人や保証料が不要であること、繰り上げ返済の手数料が無料であることが挙げられます。

フラット35の融資を受けるには、住宅金融支援機構が定めた技術水準を満たす必要があります。また、省エネルギー性、耐震性、バリアフリー性、耐久性、可変性などの一定の要件を満たす住宅に対しては、「フラット35S」と呼ばれる当初10年間の金利を優遇する制度もあります。

住宅ローンを賢く選ぶポイント

loan_4

住宅ローンを選ぶ際は、「金利」や「返済方式」などを検討し選ぶ必要があります。月々どれくらい払えるのか、これからのライフプランも考えながら自分に合った住宅ローンを選択しましょう。

金利で選ぶ

上記で説明した通り、金利は3タイプあります。メリット・デメリットを理解し、ライフプランや考え方に合わせて比較するのが良いでしょう。

返済方式で選ぶ

住宅ローンの返済方式は2つあります。

  • 元利均等方式

元金と利息の合計金額を均等にして返済する方式で、毎月の返済額が変わらず返済計画が立てやすいのが特徴。最終的には、元金均等方式よりも総返済額が多くなります。

  • 元金均等方式

毎月支払う元金を均等にして返済する方式で、毎月の利息が徐々に減少して、毎月の返済額が下がっていくのが特徴。総返済額が元利均等方式よりも少なくなりますが、返済開始の返済額の負担が大きくなります。

そのため、家計を圧迫してしまわぬように、どのくらい返済が可能かしっかり考えておく必要があります。目の前にある支払いのことだけでなく、今後の子どものことなどライフプランも考えながら決めたいところです。

団体信用生命保険の内容も比較する

債務者が住宅ローン返済中に死亡または高度障害状態になった場合、保険金で住宅ローンを完済できる保険です。ほとんどの住宅ローンが原則加入することになっています。万が一のことが起こった場合の保障内容も検討すると良いでしょう。一般的なものに加え、三大疾病にもプラスで特約をつけることも可能です。

住宅ローンの繰り上げ返済はするべき?

書類を見て悩む男女

繰り上げ返済をすることにより、払うはずだった利息を減らせます。繰り上げ返済を検討するなら、それぞれのタイプを知り、自分の状況に合わせて選んでください。

繰り上げ返済とは

繰り上げ返済は、当初の予定よりも前倒しでまとまった金額のローン返済をすることをいい、返済額は元金に充てられます。繰り上げ返済には2タイプあります。

  • 返済期間短縮型

返済期間を短縮でき、その期間に払うはずだった利息をカットできます。最終的に払う金額は少なくなりますが、月々の返済額は変わりません。手元のお金が減るので資金不足に注意してください。

  • 返済軽減型

毎月の返済額を減らせますが、返済期間は変わりません。

2つを比較すると返済期間短縮型の方が、利息は軽減できます。働き方や養育費などあらゆる可能性を考えた上で、繰り上げ返済すると良いでしょう。

繰り上げ返済の注意点

繰り上げ返済の際に、手数料がかかることも。住宅ローン控除の条件に「ローンの残年数が10年以上」とあるため、ローン控除と繰り上げ返済どちらが得なのか考えましょう。

住宅展示場なら住宅ローンについても相談できる

住宅展示場にいる夫婦

実際に住宅展示場を見学することで、住宅購入に必要な大まかな費用を知ることができます。住宅ローンについて相談することもできるので、住宅展示場に一度足を運んでみてはいかがでしょうか。

種類と金利の違いを知って住宅ローンを賢く選ぼう

loan_5

住宅ローンの返済で困らないよう、住宅ローンは計画的に組むことが大切です。返済期間や金利のタイプなどたくさんの種類がありますが、違いを理解してしっかり吟味しましょう。住宅ローンの仕組みを知って、自分達のライフプランに合わせて賢い選択をしてくださいね。