家を建てる際は庭にもこだわりたいもの。家での楽しみの1つとして、理想の庭で家庭菜園を始めてみたいと思っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、家庭菜園の始め方や揃えておきたいアイテム、野菜栽培のコツ、おすすめの野菜などを紹介します。難しいイメージもある家庭菜園ですが、コツを押さえれば初心者でも十分に楽しめますよ。
この記事の目次
初心者でも楽しめる家庭菜園の始め方
まずは、家庭菜園の始め方を紹介します。主に2つのポイントを押さえておけば、初心者でもスムーズに家庭菜園を始められるでしょう。
野菜が良く育つ環境を整える
野菜がよく育つ環境とは「しっかり日光が当たる」「風通しが良い」「水はけが良い」という3つの条件が揃っていること。初めて家庭菜園にチャレンジする際は、条件の揃う環境にした方がトラブルが少なく成功しやすいと言えます。環境を整えて元気な野菜を育てましょう。
野菜が育つのに適した時期から始める
家庭菜園を始めるのに良い季節は、主に春・秋の年2回です。初心者には、春に種まきや植え付けをし、夏から秋にかけて収穫をおこなう野菜が育てやすくおすすめ。種まきや植え付けの適温になるタイミングは、霜にやられる心配がなくなる八重桜の開花時期を参考にすると良いでしょう。
家庭菜園初心者が揃えたいアイテム
続いて、初心者でもこれがあると家庭菜園が成功しやすいアイテムを3つ紹介します。どれも家庭菜園のベースとなる大事なものばかりなので、こだわって揃えるのがおすすめです。
土
家庭菜園をするうえで、土は必要不可欠な重要なものです。本来は数種類の土を混ぜ合わせて調合する必要がありますが、初心者にはハードルが高い作業。そのため、そのまま使える培養土を購入すると良いでしょう。さらに肥料が配合済みの培養土なら、植え付け時の肥料を混ぜ込む作業が省けるのでより初心者向きと言えます。
プランター
初心者はプランターを使うのがおすすめです。台風や猛暑のときに避難させたり、日当たりの良い場所に移動させたりできます。また、購入する土の量が分かりやすいのもメリットです。通気性が良く水の排出がスムーズなもの、野菜が根を張りやすいように容量が大きいものを選ぶと良いでしょう。
支柱
支柱には、苗を風や雨で倒れないように支え、伸びる方向を誘引して生育を助ける役割があります。特に蔓性の野菜や、大きくなる野菜には支柱が必要です。これは支柱がないと地面に垂れ下がり、湿気や虫にさらされてしまう可能性があるため。植え付けたばかりの苗は、割り箸の添え木で支えると安心でしょう。
家庭菜園初心者が押さえておきたい野菜栽培のコツ
初心者でも家庭菜園を成功させられるよう、野菜栽培のコツを押さえておきましょう。簡単なコツを掴んでおくことで、家庭菜園をより楽しめますよ。
初心者向きの野菜の品種を選ぶ
育てやすく管理しやすい野菜を選びましょう。初心者は虫がつきにくい野菜を選ぶのがベターです。虫がつきにくいのはきゅうりやトマトなどキク科の野菜。また虫よけ作用があるミントやタイムなどのハーブ類も育てやすく人気です。
手のかからない丈夫な苗を選ぶ
種から育てるよりも苗を植え付ける方が簡単なため、初心者向きと言えます。苗には種から育てた「自根苗(じこんなえ)」の他に、「接木苗(つぎきなえ)」というものがあります。「接木苗」とは、収穫する野菜に、病害虫などに強い植物の根をはいだもの。値段は高めですが、育てやすく収穫量も期待できるように作られているため、初心者におすすめです。
同じ科の野菜を連続して同じ場所で育てない
同じ科の野菜を同じ場所で育て続けると、土の栄養素に偏りが生じたり、特定の害虫が増えたりする「連作障害」が起こりやすくなります。野菜の生育に影響が出るのを避けるため、同じ科の野菜は3年から5年など、空けた方が良いとされる期間を守るようにしましょう。
水やりのポイントを掴む
家庭菜園の作業の中で、特に重要なのは水やりです。土の表面の色が白っぽく乾いたら水やりのサイン。プランターなら底部分から水が流れ出すくらいたっぷりと水を与えます。
地植えなら土にやわらかさを感じるくらいが目安です。土の中で水温が上昇したり凍結したりしないよう、朝に水やりをおこなってください。
家庭菜園初心者におすすめの野菜
続いて、家庭菜園初心者におすすめの野菜を紹介します。植え付けと収穫の目安時期もチェックしていきましょう。
キュウリ
キュウリはもぎたてがみずみずしく美味しいと、家庭菜園で人気の野菜です。虫がつきにくいキク科の植物で、夏に多く収穫したい人におすすめ。花が咲いてから7日ほどで収穫でき、収穫時期がわかりやすいのも初心者向きです。
【植え付け】4月~5月【収穫】6月~9月
オクラ
オクラは夏に旬を迎える、栄養豊富なネバネバ野菜。1つの株から数多く収穫できます。ハイビスカスに似た可愛らしい花が楽しめるのも特徴です。オクラの花は朝に開花したら午後にはもうしおれてしまうので、毎日チェックしてくださいね。
【植え付け】5月~6月【収穫】7月~10月
枝豆
枝豆は、昔の人は田んぼの脇で育てていたといわれるほど、丈夫に育ちやすい野菜です。家庭菜園で作っても甘くて美味しいといわれています。収穫量も多く家庭菜園の楽しみが味わえるでしょう。ぜひ採りたてを塩茹でや、混ぜご飯などにして、アレンジも楽しんでみてください。
【植え付け】5月【収穫】6月~9月
ピーマン
豊富なビタミンCを含むピーマンは、夏の栄養源としておすすめの野菜。6月から10月にかけて、たくさん収穫できて育てやすいのも魅力です。プランターに合わせて成長するので、収穫量を増やしたいなら大きめサイズを選びましょう。
【植え付け】5月【収穫】6月~10月
ゴーヤ
独特の苦みがある野菜で、緑のカーテンとしても人気があるゴーヤ。育つのも早く、実もよくなるため、初心者でも非常に育てやすいと言えます。蔓性植物なのでプランターで育てる場合は、支柱やネットに這わせるようにして育てます。
【植え付け】5月~6月【収穫】7月~9月
子どもと一緒に楽しむ家庭菜園のメリット
子どもと一緒に楽しみながら家庭菜園にトライすることは、さまざまなメリットをもたらします。ここでは「食育」の観点から家庭菜園が持つ可能性を見ていきましょう。
野菜と一緒に心が育まれる
美味しい野菜を育てて収穫するには、手間ひまをかけて世話をしなければなりません。そのような家庭菜園の経験を通して、食べ物への愛着や感謝の心を育むことができるでしょう。また達成感を味わうことで、自己肯定感や自信につながると考えられます。
自然について知ることで興味が広がる
それぞれの野菜がどのように芽が出て、大きく育ち、収穫されるのかを知っていくと、農作業に関する興味が広がるかもしれません。四季の移り変わりを感じたり、野菜の旬を知って楽しんだり。自然に親しむことを子どもの頃から経験すると、学校で習う科学や生物への興味関心アップにつながる可能性が考えられます。
野菜嫌いを克服するきっかけになる
苦手な野菜があるのは、子どもによくあることです。そんな子に野菜への興味を持ってもらうための方法としても家庭菜園はおすすめです。苦手であっても、一緒に丹精込めて育てた野菜なら食べてくれる可能性も。「自分が育てたのだから食べてみる!」という変化が期待できるかもしれませんね。
初心者でもコツを押さえれば簡単! 家庭菜園にチャレンジしよう
初心者でもしっかりコツを押さえれば、豊かな収穫を期待できます。家庭菜園が趣味になれば、暮らしの中にメリハリや潤いも生まれるでしょう。また、子どもと一緒に始めれば「食育」にもなります。ぜひ家族みんなで家庭菜園を楽しんでください。
編集部員が体験!簡単&楽しい夏野菜の家庭菜園
手軽に自然に触れ合え、美味しい野菜を味わえる家庭菜園。やってみたいとは思うものの、なかなか手を出せないという人が多いのではないでしょうか?
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