コンクリート住宅はおしゃれなだけじゃない! 木造住宅との違いや意外なメリットを知ろう

2024年1月29日

おしゃれなイメージが強いコンクリート住宅ですが、魅力はその見た目だけではありません。鉄筋コンクリートで造るからこその、機能面におけるメリットが多々あります。本記事では、コンクリート住宅と木造・軽量鉄骨造の違いを押さえながら、コンクリート住宅のメリット・注意点を見ていくとともに、必要なメンテナンスについても解説します。

コンクリート住宅とは?

格子状に組みたてられた鉄筋

住宅の構造は、木造・軽量鉄骨造・鉄筋コンクリート造の3つに分けられます。まずは、コンクリート住宅の定義に触れるとともに、木造・軽量鉄骨造との違いについても見ていきましょう。

コンクリート住宅の特徴

コンクリート住宅とは、性質が異なる鉄筋とコンクリートを組み合わせて作られた住宅のことです。 1センチ以上の太さがある鉄筋を格子状に配置した型枠に、コンクリートを流して造られます。メイン工法は「壁式構造」。壁そのものが柱・梁の役割を担い、建物をしっかりと支えます。

木造・軽量鉄骨造との違い

木造住宅は、家の構造に木材が使われた家のこと。素材として杉やヒノキが使われることが多いです。軽量鉄骨造住宅は、厚さが6ミリ以下の鋼材が使われた家のことを指します。工場で部材を生産、現場でそれを組み立てる「プレハブ工法」がメインです。

これら2つの住宅は、それぞれ木造・鉄骨でできた柱・梁に壁をはめ込んで造られます。コンクリート住宅と比べたときに強度や機能に差が出るのは、このように構造によって建材・工法が異なるためです。

コンクリート住宅のメリット

コンクリート住宅には他の構造にはないようなメリットも。ここでは、コンクリート住宅の魅力・メリットについて解説します。

1.地震などの自然災害に強い

鉄筋コンクリートには、鉄筋の引っ張る力とコンクリートの押す力の両方が備わっています。この力によって地震で伸縮しようとする建物を支えるため、鉄筋コンクリート造の建物は耐震性が高いです。また、木造や軽量鉄骨造などに比べて重さがあるのも特徴。強度にも優れているので、台風による雨風などにも強いです。

2.耐火性に優れており、火事などに強い

鉄筋コンクリート造の建物は、建築基準法において耐火性があることが認められています。コンクリートは不燃性の素材なので、コンクリートそのものが火で燃えることはありません。そのため火災による倒壊を防げ、逃げる時間を確保できます。また、燃焼することで発生する有毒ガスの量を減らせるので、ガスによる中毒死も避けられるでしょう。

3.遮音性が高く音が気になりにくい

木造や軽量鉄骨造と比べて隙間がない分気密性が高く、ある程度の音を遮れます。完全に音を遮断するのは困難ですが、木造などと比較すると遮音性が高いと言えるでしょう。集合住宅の場合は、上下左右の家から出る生活音などが気になりにくいです。

4.デザインに制限があまりない

鉄筋コンクリート造は柱や梁を必要としません。空間を広々と使えるので、理想の間取りや形が叶うことが多いです。外観も同様で、強度面さえクリアすれば、壁面のデザインなどを工夫するのも良いでしょう。

コンクリートは無機質な素材です。例えば、打ちっぱなしのコンクリートを取り入れることで、壁そのものがアクセントに。これだけで、シンプルな部屋がおしゃれでモダンな雰囲気に生まれ変わることもあります。

また、壁を取り壊して部屋を広げるなどの大幅リフォームも可能です。鉄筋コンクリート造の注文住宅であれば、理想の家がより叶いやすいと言えます。

5.耐用年数が長くコスパが良い

木造・軽量鉄骨造と比較すると、コンクリート住宅の寿命は圧倒的に長いです。一般的に耐用年数は、木造が22年、軽量鉄骨造が27年、鉄筋コンクリート造が47年と言われています。

木造の場合、築年数が経過するごとに、外壁・屋根の塗り替え・張り替えなどのメンテナンスが増えていくもの。さらに、耐用年数を過ぎると大規模修繕や建て替えも視野に入れなくてはいけません。

一方鉄筋コンクリート造は、定期的なメンテナンスによって大規模修繕のリスクを減らせる上に、メンテナンス費用も安いです。また木造よりも耐用年数が長いため、木造と同じ期間で見れば建て替えの必要もありません。

コンクリート住宅における懸念点

コンクリート住宅は、メリット以外にいくつかの注意点・懸念点もあるため、それらもしっかりと理解することが大切です。ここでは、コンクリート住宅における懸念点について解説します。

1.外気に左右されやすく、夏は暑く冬は寒い

コンクリートは熱伝導率が高いため、外気の影響を大きく受けてしまいます。そのため、夏は暑さや湿気、冬は寒さを感じやすいですが、断熱材を併用することによって解決できるでしょう。エアコンなどによる温度調整が効率的におこなえるので、快適に過ごせる空間になります。

2.カビが生えやすい

コンクリートそのものには水分が含まれており、これがカビの原因になることも。また吸水性に優れているため、室内の湿気を吸い込んで溜めることでもカビが生えやすくなります。換気・除湿の対策をするなど、カビを抑える工夫をしましょう。

3.建築費が高い

コンクリート住宅は、建築費が木造住宅よりも高いです。鉄筋コンクリート造は、型枠に流したコンクリートを固めるのに時間がかかります。また吸水性が高い素材のため、雨の日には作業ができないなど天気に左右されやすいです。「プレハブ工法」が用いられる軽量鉄骨造と比較すると、鉄筋コンクリート造は待つ時間がある分工期も長くなります。

また、コンクリートは木や鉄骨よりも重さがあるため、それを支えるために地盤強化などが必要になるケースも。このような工期の長期化や地盤強化は、コンクリート住宅の建築費が高くなる要因です。

コンクリート住宅に必要なメンテナンス

コンクリート住宅はまったくメンテナンスが要らないわけではありません。必要に応じてメンテンナンスをすることで長い寿命をさらに伸ばせ、長い目で見ると木造住宅や軽量鉄骨住宅を建てるよりも安く済む場合も。ここでは、コンクリート住宅に必要なメンテナンスについて解説します。

外壁塗装

熱や乾燥によって壁にひび割れが入ることも。ひびが入ると、アルカリ性のコンクリートが中性化する可能性があり、コンクリート自体の劣化だけでなく、鉄筋の錆びにもつながりかねません。耐久性が落ちる原因になるため、たとえ少しのひびであっても注意が必要です。

まず、ひびを見つけたら早い段階で外壁塗装をするのがおすすめです。十数年に1度くらいのペースで、定期的に外壁塗装をするのも良いでしょう。塗料や外壁の種類によって費用に幅がありますが、1平方メートルあたり約1,500~5,000円です。

屋上防水

通常、屋上には防水処理が施されているものですが、紫外線・熱・雨風などによって劣化してしまいます。これが雨漏りなどの原因になり、建物自体の劣化につながることも。劣化が進む前に張り替えのメンテナンスをするなど、先手を打つのがおすすめです。

その他、定期的に排水溝の掃除をしたり、5年に1度くらいのサイクルでトップコートの塗り替えをしたりすれば、屋上防水の効果をキープできるでしょう。費用は、屋上の面積・防水の種類によって異なりますが、約70~100万円です。

コンクリート住宅の見学なら神奈川県内にある住宅展示場へ

家の説明を受ける人

コンクリート住宅を検討している場合は、実際に展示場に足を運んでイメージを膨らませるのもおすすめです。神奈川県内にある川崎住宅公園や秦野住宅公園の各展示場には、鉄筋コンクリート造のモデルハウスを展示しています。

秦野住宅公園

秦野中井インターから約5分で行ける、車でのアクセスに便利な住宅展示場。秦野市内からはもちろん市外からでもアクセスしやすいでしょう。展示場の中央にインフォメーションハウスやレストスペースが設けられており、スムーズに見学できますよ。

川崎住宅公園

川崎駅より徒歩15分ほどの、第一京浜沿いにある住宅展示場です。車でも電車でも来場しやすいでしょう。大手住宅メーカーによる、さまざまなタイプのモデルハウスが集結しています。

コンクリート住宅の魅力・注意点を知り、住宅の構造を検討しよう

打ちっぱなしの壁を取り入れた部屋

おしゃれ度の高さで人気を集めているコンクリート住宅。おしゃれである以外にも、耐久性・耐震性・自由度の高さなど、さまざまなメリットがあります。一方でいくつかの懸念点もあるので、これらの両方を踏まえた上で家づくりを検討してみましょう。お近くの展示場でコンクリート住宅を見学して、イメージを膨らませてみてくださいね。