注文住宅の魅力は、なんと言っても自分たちのこだわりを実現できること。しかし色々なこだわりを盛り込めるが故に、入居後に「もっとこうすればよかった」「やめておけばよかった」と後悔が残るケースも多くあります。一生に一度と言われる家づくり。できるだけ後悔せずに家を建てたいですよね。
そこで今回は、新築一戸建てを購入した全国の男女約200名を対象に、注文住宅における満足ポイント・後悔ポイントについて調査しました。これから注文住宅を探す人はぜひ参考にしてください。
<住宅購入に関するアンケート概要>
調査期間:2023年1月6日~
調査対象:新築一戸建てを購入した20~40代の221名(男性50.2%:女性49.8%)
この記事の目次
住宅展示場で見るべき点
アンケートでは、「住宅展示場で見ておいて良かった点」や「住宅展示場で見ておくべきポイント」について設問しています。
いずれの設問とも、生活動線や間取り、部屋の広さといった項目が上位に入っています。住宅展示場では各メーカーのデザインの違いに視線がいきがちですが、それよりも実際の生活をイメージすることが重要なようです。
一方で「住宅展示場で見ておけばよかったと後悔した点」で上位にあがっているのは、壁紙・天井、外構設備といった項目です。具体的には「室外機の置き場所を確認しておけばよかった」という声があがっています。
購入者が家づくりで満足している場所、不満が残った場所
一方で弊社が行ったアンケートでは、なんと約80%の人が「購入した一戸建てに満足している」と回答。ほとんどの人が納得のいく家作りができていることが分かりました。
では、具体的にどのような場所に満足しているのか、以下のアンケート結果をご覧ください。
半数近くの購入者が間取りに満足していると回答しており、希望の間取りを実現できるという注文住宅の強みが現れる結果に。
一方、家作りが終わって「不満が残った場所」については、以下の順位となっています。
不満な点がないと回答した人が20%以上いるものの、ほとんどの人が不満が残った場所があると回答しています。
満足点と不満点から読み解く、項目別アドバイス
後悔しない家作りをおこなうには、「間取り、広さ」「収納」「外観・庭」「キッチン、お風呂・トイレ・水回り」「価格、立地」「構造、寝室、子ども部屋」の6つの項目をしっかりと検討することが必要です。上記のアンケート結果から、それぞれのポイントを見ていきましょう。
1.間取り、広さ
間取りは自由に設計できるため満足度も高いですが、実際に住んでみないと分からないことも多く、不満が残る場所としても1位という結果になっています。具体的には「もう一部屋作ればよかった」「リビングをもう少し広くしたかった」「リビングを2階にしたため、物の運搬が大変」といった声があり、設計の時点でどれだけ実際の生活をイメージできるかがポイントになります。
満足している場所として多く意見があったのは、家事動線や日当たりです。リビングの位置や日当たりのよい間取りが作れた人は満足度が高い傾向にあるようです。
他には、ベランダについての意見も多数ありました。必要だと思って作ったものの、実際に使用する機会が少なく、ベランダをなくしてその分部屋の間取りにすればよかったと後悔するケースも。ベランダは一度作ってしまうと変更が効かないため、慎重に検討する必要がありそうです。
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2.収納
収納に関しては、満足度のランキング上位には入っていませんが、不満が残る場所の第3位にランクイン。購入時はあまり重視されないものの、入居後に気になる項目のようです。
具体的には「収納スペースが足りなかった」「作り付けの収納があればよかった」「子ども部屋の収納をもっと増やせばよかった」といった意見が多数ありました。子どもが大きくなるにつれ、荷物は増えていくもの。収納は余裕を持って広めにスペースを確保しておく方がよいでしょう。
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3.外観・庭
外観・庭も入居後の不満が残った場所として上位にあがっています。
外観については具体的に「目隠しがほしい」といった声があり、家の周りがどのような環境かを確認しておく必要があるでしょう。
庭については「草刈りが大変」「やっぱり庭がほしかった」という声があり、入居後の管理方法までしっかりとイメージしておかないと、後悔することになりそうです。
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4.キッチン、お風呂・トイレ・水回り
キッチンの満足度ランキングは、リビングに次いで第6位。反対に、不満が残る場所ランキングでは第9位となっています。キッチンに満足している人の回答には「動線にこだわった」「アイランドキッチンに満足」「水道のスイッチを足で入れるタイプにした」などさまざまなこだわりが見られます。
最近は働きながら家事を行う人が増え、いかに効率よく家事や調理ができるかが家作りの中で重要視されています。実際の生活をイメージした設計ができるかどうかがポイントになるでしょう。
また、トイレに関しては「階段のすぐ横にあり危ない」「リビングとトイレが近すぎた」設置場所への不満の声が目立っています。考えなしに場所を決めてしまうと、入居後に後悔してしまう可能性があります。
5.価格、立地
アンケート結果から、価格と土地はいずれも満足度が高く、不満度が低い傾向にあることが分かります。家探しを探し始めるとき、まずは立地から検討する人は少なくありません。アンケートで「日当たりが最高」「立地が1番」といった声が多いことからも、優先度を高くすると満足度が高まると言えるでしょう。
一方で、「月々の支払い額が高い」「思っていたより価格が高かった」と入居後に価格を後悔している人も多く、どこまで妥協して家作りができるか、慎重に検討しながら進めなければなりません。
6.構造、寝室、子ども部屋
構造や寝室、子ども部屋については、目立った回答はありませんでした。子どもが小さいうちは子ども部屋の利用頻度も高くなく、寝室も一日の中で過ごす時間が多くないため、一般的な間取りにしておいても後悔する可能性は低そうです。
自分たちの暮らしをより具体的に想像することが重要
アンケート結果から、注文住宅における満足ポイントと後悔ポイントが分かりました。特に後悔しない注文住宅を建てるためには、住宅展示場での見学や設計の際、下記の6点に留意しましょう。
- 部屋数や広さが充分足りているか、実際の生活をイメージしよう。とくにリビングの位置や日当たり、ベランダの有無はよく検討を。
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収納が必要なものは今、家にあるもの+αで考えて余裕を持った収納スペースの確保を。
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意外と盲点になりがちなのが外観・庭。入居後の管理方法も含め、必要性を検討して。
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こだわりを入れやすい水回りは、最もよく使う人の使いやすさを重視。
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価格や立地はどこまで妥協できるかの線引きがポイント。無理をすると後々の後悔につながることも。
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構造や寝室・子ども部屋は一般的な間取りで問題なし。ただし経年により用途が変わる可能性もあるので自由度の高い造りにしておくと◎。
初めての家づくりでは、想像しても思いつかないようなこと、知らないことがたくさんあります。入居後に後悔しないためには、今回ご紹介したポイントを参考に、入居後の暮らしをより具体的にイメージすることが大切です。
そして、そのイメージを家族で話し合い、後悔しない家作りを進めていきましょう。
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