暖炉のある家は暮らしやすい?かかる費用やメンテナンスのことも知っておこう

2024年1月5日

ゆらめく炎を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせる暖炉。近年は北欧家具の人気も重なり、暖炉のある家に注目が集まっています。しかし日本ではまだなじみも少なく、具体的な費用や種類など不明点もあるでしょう。そこで今回は暖炉のメリットやデメリットとともに、薪を使わず煙突なしで設置できる暖炉の種類も紹介します。

暖炉とは?薪ストーブとの違いも解説

石で造られた大きな暖炉のあるリビング

暖炉や薪ストーブはどちらも炎を使う暖房装置ですが、構造や暖まり方には違いがあります。まずは暖炉の仕組みや薪ストーブとの違いについて解説します。

暖炉とは

燃えている暖炉の火

暖炉はレンガや石材などの資材を使って、建物と一体に作られた炉のことを言います。暖炉の中へ石炭や薪を入れて燃やすと、炎の放射熱によって部屋が暖まる仕組みです。煙は壁の中を通る煙突を抜けて、外に排出されます。部屋の中で焚き火をするような感覚で使うイメージです。

暖炉と薪ストーブの違い

薪ストーブに薪をくべるところ

薪ストーブは暖炉の改良品で、燃焼効率を上げながら排気をきれいにするのが特徴です。扉付きの本体は建物から独立して置かれ、内部に薪をくべて使います。暖炉と同様、煙突から煙を排出します。家の隅々まで熱が届き、室内全体が暖まりやすいのが魅力です。

暖炉のある家のメリットとデメリット

暖炉を背景にワインで乾杯している

暖炉はぬくもりを感じられたり、部屋がおしゃれになったりなどさまざまなメリットがあります。しかし、換気やメンテナンスが必要で手間がかかるというデメリットも。暖炉のある家を計画する際は、しっかり把握しておきましょう。

暖炉のある家のメリット

暖炉のゆらめく炎は癒し効果があると言われ、見る人の心を落ち着かせてくれます。また存在感のあるインテリアとして、部屋をおしゃれに演出できる点も魅力でしょう。キャンプの野外調理のような感覚で煮込みやグリル、燻製などの料理を直火で調理できるのも暖炉の醍醐味です。

薪を使う代わりに電気代や灯油代がかからないのもメリットです。災害時や停電が起きた際にも明かりや調理、暖房として使えます。暖炉のある家に住めば、火の魅力や危なさを身をもって学ぶこともできるでしょう。

暖炉のある家のデメリット

暖炉は構造上、煙とともに熱が煙突から出てしまいます。よって室内を暖めるのに時間がかかり、部屋全体が暖まりにくいと言えます。暖炉の煙突は、炉とレンガが一体化しているため、煤が落ちにくいのもデメリットです。煙突掃除を業者に依頼する場合もあり、コストがかかってしまいます。

住宅密集地の場合は、煙突の煙を気にする近隣住民がいる可能性も考慮しなくてはいけません。さらに扉がないため、子どものやけどなどにも注意が必要です。

かかる費用の目安と注意点

たくさんの薪と暖炉

暖炉の設置や設置後のメンテナンスなど、暖炉にかかる具体的な費用を紹介します。施工時の注意点も、ぜひ参考にしてください。

煙突や暖炉の設置費用

暖炉本体は、60万円前後から購入可能です。煙突設置の費用などを含めると、トータルで200万円ほどかかります。好みのサイズや材料にこだわったオーダーメイドの暖炉だと、さらに費用がかかるでしょう。

薪の購入費用

1束500円の薪を1日に3束使用する場合、1ヵ月に4万5,000円ほどかかります。自分で薪を用意すれば費用が抑えられますが、薪割りの作業や薪を乾燥させるためのスペースの確保などが必要です。

メンテナンス費用

暖炉の煙突内部には、煤やクレオソート(揮発性有機タール)がこびりつきます。1シーズンに2〜3回の目安でメンテナンスが必須です。専門業者に依頼する場合、地域によって異なりますが、1回2万〜5万円が相場と言われています。

暖炉のある家を施工する際の注意点

暖炉の施工時には、煙突を設置する空間の確保や、近所迷惑にならないような高さにする必要があります。煙突は壁に埋め込むので、一度設置したら場所を移動できません。設計の段階で十分に検討しましょう。

煙突がなくても設置できる暖炉の種類

グレーのレンガで作られた暖炉があるリビング

近隣の状況や予算の関係で暖炉の設置が難しい場合でも、煙突がないタイプや低予算のタイプなら暖炉のある家に住むことが可能です。ガス式、電気式、エタノール式などさまざまな種類があるので、自分の家や予算に合った暖炉を見つけましょう。

ガス式暖炉

ガス式の暖炉

ガス式暖炉は、室内の空気をファンで取り込み、燃焼させた空気を室内に送り出す仕組みです。ガス管の接続が必要なため、壁取り付けタイプや床置きタイプなど、固定する製品が多く販売されています。スイッチ1つですぐに火がつき、早く暖まるのが魅力ですが、二酸化炭素が発生するので換気が必要です。ガス会社と機器メーカーの共同開発により製品化されており、ランニングコストはガスファンヒーター同様リーズナブルです。

液体変性エタノール式暖炉

エタノール式の暖炉

液体変性エタノールを燃料とし、燃焼すると水と二酸化炭素に変化します。そして暖まった水が水蒸気となって、部屋を加湿してくれます。ただし二酸化炭素が発生するため、換気が必要です。

日本では法の締め付けやコストなどの事情により、なかなか広まっていませんが、海外ではメジャーな存在のため、海外製の暖炉が多いのが特徴です。液体変性エタノール1Lで約4時間、710円程度の燃費なので、1時間あたりのコストは180円ほど。燃やしているときは無臭ですが、自然消火時は少しにおいが気になるかもしれません。

バイオエタノール式暖炉

バイオエタノール燃料を使った暖炉

バイオエタノールとは、とうもろこしやサトウキビといった植物由来の液体燃料のことを言います。この暖炉は電気やガスを使わず、実際に炎が出る暖炉を楽しめるのが魅力です。二酸化炭素が発生するので定期的な換気が必要です。

従来の暖炉のイメージを覆すようなスタイリッシュなデザインが多いのも特徴のひとつ。安いものなら30万円程度、高くても100万円以内で、煙突の費用をかけずに設置できます。バイオエタノールは10L約4,400円で、1時間あたり110円〜200円ほどのコストで使用できます。

電気式暖炉

電気式の暖炉

火を使わない電気式暖炉は、本物の暖炉のような気分を手軽に味わえます。ガスや煤も発生しないため、煙突の手入れも不要です。本物の炎のゆらめきを電気で再現するので、電球が切れたら交換する必要があります。工事費用は発生せず、安いものなら1万円程度で購入できます。デザインが豊富なので、インテリア性を求める人にもおすすめです。

住宅展示場へ行き、暖炉のある家を見学しよう

住宅設計について話し合う夫婦

暖炉のある家のイメージが湧かない場合や、間取りの参考にしたいなら、ぜひ実物を見に行きましょう。暖炉のあるモデルハウスを見学できる住宅展示場を紹介します。実際に暖炉を体感してみると、イメージが湧きやすくなるでしょう。

tvkハウジングたまプラーザ

緑ゆたかな住宅街をつなぐ東急田園都市線・たまプラーザ駅南口より徒歩1分の場所にあるtvkハウジングたまプラーザは、お散歩感覚でモデルハウスを見学できる住宅展示場です。ショッピングセンターなどの商業設備が整っている住んでみたい街として人気のエリア。モデルハウス見学の事前予約ができ、さまざまなイベントがあります。

相模原住宅公園

最先端のデザイン、設備が整っているモデルハウスを展示している相模原住宅公園。東京ガスによる快適な暮らしの提案を見学できます。JR横浜線相模原駅北口より徒歩5分とアクセスも良好です。モデルハウス見学の事前予約可能で楽しいイベントを開催しています。

暖炉のある家で家族団らんを楽しもう

暖炉であたたまる家族の足

暖炉は心を落ち着かせてくれ、体を暖めてくれます。薪の準備や煙突掃除などの手間も楽しみながら本格的な暖炉のある暮らしを手に入れるか、電気式暖炉などの手軽なものをおしゃれなインテリアとして楽しむかは人それぞれ。家族が楽しい時間を過ごすために、すてきな暖炉のある家を検討してみてください。