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湘南お店情報

鎌倉の老舗和菓子店から独立した職人さんが営む、和菓子屋「一菓」
2021.09.17

みなさん、こんにちは! 藤沢に住むこと30余年、地元湘南ライターのヤスダマミコです。

今回ご紹介するのは、湘南モノレール「湘南江の島駅」から北に5分、藍色の旗が目印の和菓子屋『一菓』です。間口半間程の小さな和菓子屋さんで、この地に開業して2年、クチコミでファンが増え続けるおすすめのお店です。通年販売しているどらやきやお団子、最中に加え、季節にあわせた練り切りや旬の和菓子もそろいます。

 

鎌倉の老舗で30年、確かな技術と和菓子への愛

その手で紡ぎだされる美しくもあたたかい和菓子。職人の山内浩三郎さんは、鎌倉にある老舗和菓子店『大くに』で長年さまざまな人気和菓子を作り出してきました。「修業時代から30年以上、和菓子を作り続けてきました。そして、自分の住むこの地で、『一菓』を始めました」。奥様と二人で、早朝から日々おいしいお菓子を紡ぎだされています。

手作りにこだわり、その味わいはやさしく、そしてどこまでも本格的。朝から一日15~16種類の和菓子をすべてご自身の手で作ります。

和菓子一菓

店主の山内浩三郎さん。一日にひとつ、お菓子を食べて幸せな気分になってほしいとの思いで『一菓』と名付けたそう

 

毎日食べても飽きない、やさしい味わい、どらやきやお団子

『一菓』のお菓子はどれも夕方には売り切れてしまうことが多く、一番人気を決めるのは難しいのですが、その中でも多くのお客様がお求めになるのは、やはり、定番のどらやきやお団子です。

毎日でも食べられる、やさしい味わいとあたたかみを感じます。餡からすべて丁寧に作られていますが、どらやき220円、お団子(みたらし・あん)一つ150円からとリーズナブルなのも嬉しいです。

和菓子一菓

一菓のロゴマークがかわいいどらやき 220円

 

五感で楽しめる美しい上生菓子は、まるで宝石のよう

山内さんの手で紡ぎだされる上生菓子は、その美しさに定評があります。色づかいも、細かな形の表現も、芸術品のようで、思わず「ほうっっ」とうっとりしてしまうほど。

季節にあわせて毎日4種類ずつ、感覚に任せて作り出されます。一部の定番以外は毎年同じお菓子が並ぶわけでなく、そのときそのときに一番おいしいものを、と毎週のように新しい上生菓子が登場します。一例を挙げると、

春 「春の富士」、「桜山」、「春の宴」、「花籠」

夏 「紫陽花」、「露草」、「金魚」「夕涼み」

秋 「赤とんぼ」、「秋山路」、「光琳菊」、「初霜」

冬 「雪餅」、「初富士」、「雪輪」、「初氷」

などなど、名前からもう素敵で、追っていくと四季を感じることができます。どれも期待を裏切らない美しいお菓子、すべて写真を載せられないのが残念でたまりません。

和菓子一菓

錦玉羹で朝露をあらわしている「露草」。中は味噌餡。上生菓子は一つ320円

 

見た目だけでなく、もちろん味わいも多種多様です。餡だけでもつぶ餡、こし餡、ずんだ餡、味噌餡、梅の白餡、桜餡、黄身餡、きんとん餡ほかと書ききれないほど、お菓子を包む生地もさまざまで、どんな素材でもその手にかかればおいしい和菓子に生まれ変わるのが『一菓』マジックです。

凛とした美しい姿に、さまざまな素材が組み合わさった舌ざわりのよさ、香り、そして上品な味と、五感で楽しめるのが愛される魅力です。

和菓子一菓

いろとりどりの錦玉羹と、白あんを丸めて入れた夏ならではの「水花火」

 

季節ごとの味わいも魅力いっぱい

春には桜餅、夏には若鮎、秋には月見まんじゅう、栗きんとん、お正月には花びら餅。季節ごとに食べたくなる昔ながらの和菓子もしっかり店頭を彩ります。もちろん、ひなまつりや端午の節句、お彼岸、七五三といった、ご家族が集う大切なひとときにふさわしい上生菓子もきちんと並びます。

一方、クリスマスにはサンタクロースやひいらぎをモチーフにした上生菓子が登場! 遊び心いっぱいのお菓子にも山内さんのセンスが光ります。

「こちらのお菓子を見て、そろそろ秋だなあと感じたり。子供のころのことや、その季節の楽しかった思い出が浮かんできたり。毎週新作があるから、のぞくだけでもとても楽しいのよ」というお客様もいらっしゃいます。

和菓子一菓

秋を感じる栗きんとん

 

お子様に大人気のお菓子から、手土産にも重宝される美しいお茶菓子まで

『一菓』は、近所の子供たちにも大人気。お散歩がてら、親子で買いに来る人は「ここのどら焼きが一番好きで。高級和菓子屋は子連れだと入りにくいけれど、ここは路面から今日のお菓子が見えるし、どら焼きがあるとつい買っちゃいます」。

また、本格的なお茶の席にも使える、きりっと美しいお茶菓子や、栗蒸しようかんは、手土産にもぴったり。「自宅用のお団子と、お客様用のお菓子を買います。ここのお菓子なら間違いないので」という方も。

和菓子一菓

こだわりのつまった掛け紙。片瀬に住んでいた金子繁治さん(故人)の絵を使わせていただいています

 

リーズナブルに本格和菓子を味わえる、そして食べるとみんな笑顔になる『一菓』の和菓子。江の島散歩の折に、ぜひお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

和菓子 一菓(いっか)

神奈川県藤沢市片瀬3-5-26

湘南モノレール「湘南江の島駅」徒歩5分 / 江ノ島電鉄「江ノ島駅」徒歩7分

水曜定休

Tel 0466-28-6798

 https://www.instagram.com/wagashi_ikka/

ヤスダマミコ
藤沢歴30年。編集・ライターとして書籍&取材記事作りに20年。
絵本の読み聞かせボランティア4年。
「大好き神奈川やってみよう行ってみよう」「季節感ある暮らし」「犬と暮らす」を主テーマに執筆。趣味は絵本、宇宙、恐竜、歴史。最近は藤沢はじめ神奈川を歩き回って化石を発掘しています!