
マイホームの購入を検討する際、慎重に選ぶべきなのが住宅ローンの金利です。長年続いていた低金利時代は終わりを迎え、金利がやや上昇する局面に移りました。
今後も日本銀行(以降記事内では日銀と表記します)による段階的な政策金利の引き上げが予想されており、これからマイホームの購入を検討している人にとって、金利の動向は家計の返済計画に直結する極めて重要なポイントです。
本記事では、住宅ローン金利の今後の見通しや、変動金利型・固定金利型のメリット・デメリットを解説します。あわせてライフスタイル別に適した住宅ローン金利タイプについてもご紹介します。

長年続いた低金利の時代が終わり、住宅ローンの金利は大きな転換期を迎えています。金利上昇の引き金となった日銀の利上げや、金融市場の最新動向について解説します。
超低金利時代が長らく続きましたが、2024年3月に日銀がマイナス金利政策を解除しました。2024年7月、2025年1月と段階的に利上げを実施し、2025年12月の金融政策決定会合では、政策金利を0.75%にまで引き上げる決定を行いました。民間金融機関でも日銀の動きを受け、変動型の金利を引き上げる動きが本格化しています。
例えば、三菱UFJ銀行は、2026年3月より新規で借り入れる際の変動金利最優遇金利を0.275%上げて0.945%に、三井住友銀行は0.25%上げて1.175%に改定することを発表しました。
また、これまで大手銀行より低い金利水準を強みとしてきたネット銀行においても、変動金利を引き上げる動きが広がっており、上昇傾向が見られます。
一方、全期間固定金利型の住宅ローン金利は、日銀の政策金利ではなく、金融市場で取引される「長期金利」の影響を受けます。長期金利は、将来の景気や物価上昇の予測を先取りして動くため、2023年頃から上昇トレンドが顕在化しており、変動金利が本格的に上がる前から全期間固定金利型の水準にも影響を与えています。

住宅ローン金利は上昇トレンドに入ったため、これからマイホームを購入する人にとって、「今後どこまで上がるか」は大きな関心事となっています。変動金利と固定金利の今後の見通しを、最新情報をもとに解説します。
公益財団法人日本経済研究センターが実施した「ESPフォーキャスト調査」(2026年2月調査、エコノミスト36名を対象)によると、変動金利のベースとなる政策金利は、現在の約0.75%から2026年12月末までには約1.0%まで上昇するという回答が多数を占めています。それに連動する形で、各銀行の変動金利型住宅ローンの金利も徐々に引き上げられていく見込みです。
ただし、利上げは段階的な引き上げが想定されています。急激に返済額が跳ね上がるというより、数年かけて緩やかに上昇する可能性が高いと見られています。それでも、借入額が大きく返済期間が長い人にとっては、わずかな金利上昇でも将来の負担増につながるため、金利上昇リスクを軽視できません。
固定金利の基準となる長期金利の見通しについても、依然として上昇傾向が続くと予測されています。
住宅金融支援機構によれば、シンクタンクによる見通し(内閣府公表のGDP速報を踏まえた試算)では、長期金利は2026年7〜9月には1.90%程度まで上昇する可能性があるとされています。これは、わずか3ヵ月前ほど前に示されていた1.6%前後の水準よりもさらに上がる見通しです。
住宅金融支援機構が実施した最新の実態調査「住宅ローン利用者の実態調査結果<住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)>」によれば、(新たに住宅ローンを利用した人(2025年4〜9月に住宅ローンを利用した人を対象)のうち、75%が「変動型」を選んでいることが分かりました。
依然として変動金利の人気が高いものの、変化の兆しも見えます。2025年4月の調査時と比較すると、変動型は4.0ポイントの減少でした。
一方、固定期間選択型は2.7ポイント上昇、全期間固定型は1.3ポイントの上昇となっています。金利上昇のニュースが増えるなか、わずかながらも金利変動リスクを避けて固定金利型を選ぶ人が増え始めている実態が浮き彫りになっています。
参考:住宅金融支援機構 住宅ローン利用者の実態調査結果<住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)>

今後の金利の見通しを踏まえたうえで、改めて変動金利型と全期間固定金利型の特徴を整理しておきましょう。
変動金利型は、金利変動が住宅ローンの金利に反映されるタイプです。金利は原則として半年ごとに見直される場合が多く、金利が下がれば総返済額や毎月の返済額が減る一方、金利が上昇すれば返済負担が増える可能性があります。
ただし、返済額を見直すタイミングや仕組みは金融機関・商品によって異なります。変動金利型のメリットは以下のとおりです。
・全期間固定金利型に比べて、スタート時の金利水準が低い
・借入後に金利が下降した場合や低い水準を維持すれば、総返済額を抑えられる
一方、デメリットには次のことが挙げられます。
・金利が上昇すると、総返済額や毎月の返済額が増加するリスクがある
・借入時点では、将来の総返済額が確定しない
固定金利型には、借入から完済まで金利が変わらない「全期間固定金利」と、3年・5年・10年など一定期間だけ金利が固定される「固定期間選択型(当初固定金利型)」の2種類があります。
代表的な全期間固定金利型の商品として「フラット35」があり、その金利は10年物国債の利回りを含む長期金利の動向に連動して設定される傾向があります。
一方、固定期間選択型は、固定期間の終了時に、同じ固定期間を再選択するか、それとも変動金利型など他の金利タイプに借り換えるかが一般的です。
全期間固定金利型の最大の魅力は、将来の金利上昇リスクから守られることです。借入時に契約した金利と返済額は、返済期間中終了まで基本的に変動しません。
全期間固定金利型のメリットは以下のとおりです。
・借入後に金利が上昇しても、返済額(毎月の支払額・総返済額)は一切変わらない
・数十年にわたる返済計画を明確に立てられるため、教育資金や老後の資金など家計管理がしやすい
一方、全期間固定金利型のデメリットには次のことが挙げられます。
・一般的に変動金利型よりも金利水準が高く設定されている
・借入後に金利が大きく下降しても、その恩恵を受けられない

ライフプランや家計の状況によって、適した金利タイプは異なります。それぞれのタイプに向いている人の特徴は以下のとおりです。
変動金利型は、手元の資金に余裕がある人や、借入期間が比較的短い人などに向いています。
< 家計の預貯金に十分な余裕がある人>
万が一金利が上昇して返済額が増えても、生活に支障がない程度の資金に余裕がある人。また、金利が上がったタイミングでまとめて繰り上げ返済ができるだけの貯蓄がある人にも向いています。
<短期間で完済予定の人>
借入期間が10〜20年程度の短めの返済計画を想定している場合、金利が上昇しても総返済額への影響が比較的小さいため、変動金利型が向いています。
<収入の増加が見込める家計に余力が生まれる人>
将来的に安定して収入が上がる見込みがある人や、自動車ローンなどの返済が終了して、家計のキャッシュフローに余力が生まれる予定の人にも向いています。
全期間固定金利型が向いているのは、次のような特徴の人です。
<家計にあまり余裕が少ない人>
月々の返済額が少しでも増えると生活が厳しくなる可能性がある場合は、返済額が一定の全期間固定金利型を選ぶことで、金利上昇リスクの回避につながります。
<将来的な出費の増加が見込まれる人>
今後、子どもの進学による教育費の増加や、車の買い替えなど、他の大きな出費が見込まれる人は、住宅ローンの返済額を固定しておくことで家計の見通しを立てやすくなり、リスクを軽減できます。
<金利情勢を気にしてストレスを感じたくない人>
住宅ローン完済までの長期間、金利上昇のニュースに一喜一憂したくない人や、精神的な安心を重視する人には、全期間固定金利型が向いています。
変動金利は上昇傾向にあるとはいえ、依然として低い水準にあります。しかし、今後は段階的な引き上げが予測されています。これから変動金利を利用する人は、目先の低い金利だけで判断するのではなく、もし金利が1〜2%上昇した場合でも、無理なく返済できるかどうかをしっかりシミュレーションしておくことが大切です。
一方、全期間固定金利型は、変動金利に比べてやや高い金利でのスタートになりますが、返済額が固定される安心感があります。住宅ローンは返済期間が長く、家計に長期的な影響を与えます。迷った場合は、ファイナンシャルプランナーや住宅ローンの専門家に相談し、ご自身のライフプランに最適な選択をしましょう。
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