
リビングは、家族が集まって一家団欒を楽しむ場所です。ひと昔前、テレビは家族が集う娯楽であり、一家に一台という家庭が多く、テレビのあるリビングには自然と家族全員が集まったものです。しかし昨今では、ネットやスマホなど個々で楽しむ娯楽が増えたことで、自室で好きな時間を過ごすことが多くなり、家族がリビングに集まって団欒するという機会が減りつつあります。
本記事では、家族が自然とリビングに集まりたくなる、そんな快適な空間を作るためにどのような工夫をすればよいか詳しくご紹介します。
昔は、“リビング=家族が団欒する場”でしたが、今は、“リビング=個々で自由に楽しむ場”としての位置付けが強い傾向にあります。冒頭でも少し触れましたが、家族がリビングに集まりにくいのはなぜか、その理由について見ていきます。
1. 個々で楽しむ時間や娯楽が増えた
今は一人一台スマホを持っている時代です。また自室にインターネット環境がある家庭も多く、パソコンやゲーム、ネット動画など自分の好きなことをして過ごす機会が増えました。そのためリビングよりも自室に戻って自由な時間を過ごすことが多くなりました。
2. リビングに長くいると疲れてしまう、落ち着かない
リビングは主に家族で食事したり、会話を楽しんだりする場です。しかしリビングは家族の共有スペースでもあるため、長くいると疲れてしまったり、自分のやりたいことや気になることがあると落ち着かなかったりと、結果的に食事を済ませると自室に戻りたくなってしまいます。
3. リビングが狭く、自分の場所が確保しにくい
家族の構成によっても変わりますが、リビングが狭い場合は、気兼ねなくくつろいだり、なかなか自分のスペースを確保できなかったりします。

近年ブームになっている言葉に、「リビ充」というものがあります。これは「リビング充実」の略称で、リビング空間を共有しながら家族がそれぞれ充実した自由な時間を過ごせるリビング設計を意味します。そんな「リビ充」には以下のようなメリットがあります。
1. 家族のコミュニケーションが増える
家族がリビングに集まり顔を合わせることで、その日あった出来事や楽しかったこと、時には悩んでいること、関心ごとなど自然な会話が生まれやすくなります。
2. お互い何をしているかが分かる
一人ひとりが個室にこもるのではなく、リビングに集まり一緒に過ごすことで、お互いの存在を感じられ、安心感が生まれます。またそれぞれが何をしているかが一目でわかるため、家族のつながりを感じやすくなります。
3. 電気代の節約になる
それぞれ個室で過ごす時間が長くなると、その分照明や冷暖房などの電気代がかさみます。一方リビ充ならそれらの電気代が一部屋分で済むため、節約にもなります。
ここからは、家族が自然と集まりたくなるリビングにするためには具体的にどうすればよいのか、いくつかご紹介します。
●リビングを広くする
広いリビングは家族が集まりやすい傾向にあります。新築を検討されている方は、できるだけリビングは広く取るとよいでしょう。すでにお住まいの方は、リフォームやリノベーションでリビングを広くするのが望ましいですが、難しい場合はリビングをできるだけすっきりさせ、家具の配置などを変えて広く見せるようにするのもよいでしょう。
●カウンターを設ける

在宅ワークや学校の宿題など、リビングでちょっとした作業が行えるようにカウンターを設けるのもおすすめです。キッチンの前にカウンターを設ければ、カフェのような空間を家族で楽しむことができ、またお子さんの宿題を見ながら食事の支度もできます。
新たに設置するのが難しい場合は、省スペースで使えるデスクを用意するのもよいでしょう。
●畳のスペースを設ける
リビングに、3畳ほどのコンパクトな畳スペースを設けるのもおすすめです。このスペースがあれば洗濯物をたたんだり来客用の寝室にできるほか、お子さんのプレイスペース、お昼寝や横寝になってくつろいだりと、さまざまな用途に使うことができます。
●視線が重ならないようにする
リビングで勉強や仕事、読書などをしているときに、家族の動いている姿が目に入るとなかなか集中できなくなることがあります。
リビングのそれぞれの居場所にいるとき、視線が重ならないようにレイアウトを変えると、落ち着いて過ごしやすくなります。具体的には、勉強や仕事をするときの方向と、テレビを見るときの方向が違う方向になるように、作業デスクやテレビ台を移動するとよいでしょう。
●電源タップを用意する
スマホの充電やパソコン、ゲームへの接続など、家族が集まるとその分多くの電源を確保する必要があります。リビングで長居したくなるようにするために、電源タップを用意し、家族みんなが公平にスペースを使えるようにしましょう。
●収納スペースを設ける
前述したように、リビングを広く取るのも大事ですが、バッグや服などの私物を持ち込んでしまってリビングが乱雑で窮屈になるのは避けたいところです。リビングで気持ちよく過ごすには、いつもスッキリ片付いていることがポイントです。リビングクローゼットを設置するなど収納を工夫しましょう。
●本棚を設ける

リビングに本棚を設置すると、ブックカフェのようなくつろぎの空間を創り出すことができます。各々好きな本を置いて、ソファや椅子に座って読むことで家族が集まりやすい環境になります。
●家族それぞれのスペースを作る
リビングの中で大人が仕事するスペース、子どもが勉強や遊ぶスペースというように分かれていれば、自分の時間に集中することができ、自室に戻らずにその場で時間を過ごしやすくなります。そのための具体的な方法として、棚を使ってスペースを仕切ることをおすすめします。
子どもの目線が隠れるくらいの棚を置いて仕切ると、子どもの遊ぶスペースが完成します。壁と棚を付けて置くことで、パーテーションかつ収納場所にもなります。またこれは大人の仕事や作業スペースにも最適です。作業をしながら子どもを見守れるため、安心してそれぞれの時間を過ごすことができます。
●座れる場所を増やす
リビングに座れる場所がたくさんあるとお互いがちょうどいい距離感を保てて、自分のスペースが確保できるため、ストレスが少なく時間を過ごせます。具体的にはイスだけでなく、大きめのソファ、スツール、クッション、ラグなどを置くとよいでしょう。
●色合いや照明をあたたかい色にする

リビングの色合いや照明で、雰囲気は大きく変わります。家族みんなでくつろげる空間にするには、なるべく使う色を減らして、ベージュやブラウン、ホワイトやアイボリーなど明るい色や落ち着いた色で一体感を出すことがおすすめです。また床から天井に行くほど明るい色を使うと、安定感が生まれます。
リラックスできる空間にする場合は、間接照明などやわらかい色合いの照明を取り入れるのもおすすめです。間接照明は吊り下げるタイプのペンダントライトや、テーブルライトを取り入れるとおしゃれで落ち着いた空間を演出することができます。
その他の「リビ充」空間作りのポイントをご紹介します。
●ペットを飼う
ペットがいるところには自然と人が集まります。ペットを飼い、その子の生活拠点をリビングにしてあげることで皆が一緒に遊んだり、お世話してあげたりとリビング中心のおうち時間を過ごすことにつながります。

ここまでリビング作りのポイントをいくつか紹介してきましたが、文章の説明や写真などではなかなか伝わりにくく、実際の広さや雰囲気、生活する上での動線イメージなどはやはり実際に目で見て体感するのがベストです。
「リビ充」のイメージをしっかりと固めるためにも、住宅展示場のモデルハウス見学をおすすめします。各ハウスメーカーともにリビングの空間作りには個性や特長があり、さまざまな雰囲気のリビングを見ることができます。ぜひ気軽に住宅展示場に足を運んでみましょう!
リビングは、これまでの家族団欒の場から、個々で自由な時間を楽しめる空間へと変化しつつあります。家族がそれぞれリビングで快適に過ごすためのポイントは、「自分のスペースが確保されている」ことや「ストレスのない心地よい環境」です。ぜひとも家族が自然に集まる空間作りに取り組み、快適なおうち時間をお過ごしください。
また具体的なイメージを持つために、ぜひとも住宅展示場に足を運び、その目で実際に体感してみてください。
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まずは、ご希望条件に合ったモデルハウス探しや、お近くの展示場を探してみましょう。
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