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住まいのコラム 新築の固定資産税はどのくらい?その金額や減税・節税の方法についても解説 公開日:2025年8月18日(月)
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新築の一戸建てを購入すると、毎年「固定資産税」を支払う必要があります。これから新築住宅の購入を検討されている方にとって、固定資産税がどのような税金で、どのくらいの金額になるのかは、大きな関心事ではないでしょうか。

本記事では、固定資産税の基礎知識に加え、新築時にかかる固定資産税の目安、計算方法や国の軽減措置などを詳しく解説します。固定資産税を抑えるためのポイントについても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有する人に毎年課される税金です。新築一戸建てを購入した場合は、土地と建物の両方に課税され、所有者が市区町村に納めます。課税の基準日は毎年1月1日で、その時点での所有者に対して納税義務が生じます。

<課税対象となる資産>

固定資産税の対象となる資産は以下のとおりです。

● 土地…住宅地、農地など

● 建物…住宅、店舗、工場、倉庫など

● 償却資産…事業者が所有する構築物、車両、備品など

個人の住宅購入に関係あるのは土地・建物です。

<固定資産税の目的>

固定資産税は普通税で、使い道が特定されていない税金です。徴収された税金は、道路、学校、公園などの公共設備の整備や、介護・福祉といった行政サービスの財源として活用されています。

<地域によって異なる税率>

固定資産税の税率は標準で1.4%ですが、条例により1.5〜1.7%と設定している自治体もあります。さらに都市計画税がかかる地域では、固定資産税と合わせた税率が1.7%前後になることもあります。

新築一戸建ての固定資産税の目安

新築一戸建ての固定資産税の目安は、年間10〜20万円程度です。ただし、都市部や評価額の高い住宅の場合、さらに高いケースもあります。

固定資産税は、「課税標準額×税率(標準1.4%)」で計算します。新築住宅は、条件を満たすと建物の税額が1/2になる軽減措置が受けられる(令和8年3月31日までに新築した場合)ほか、住宅用地は特例措置が適用され、200平方メートルまでの税額は課税標準額の1/6です。

例えば、土地が1,000万円、建物が3,000万円として、以下の条件の固定資産税をシミュレーションしてみます。

● 土地の固定資産税評価額は70%

● 建物の固定資産税評価額は60%

● 標準税率1.4%

● 土地の広さは200平方メートル以内

● 建物の税額は新築住宅に適用される軽減措置を反映

【土地】1,000万円×0.7×1/6×1.4%=約1.6万円

【建物】3,000万円×0.6×1/2×1.4%=12.6万円

【合計】約14.2万円

※実際の評価額や税率、都市計画税の有無により金額は変動します。

建物の減額措置は新築から3年間または5年間なので、減額措置が終了する4年目または6年目から固定資産税が増えます。しかし、建物の評価額は経年とともに下がるため、年数が経つほど固定資産税も徐々に下がっていく傾向です。

固定資産税の計算方法

固定資産税は、原則として「課税標準額×税率(標準1.4%)」という計算式で求められます。課税標準額とは、市町村が定めた「固定資産税評価額」に特例措置などを適用して決まります。

ただし、税率1.4%というのは標準税率であり、全国一律ではありません。1.5%〜1.7%と設定している自治体もあります。

<土地の評価額>

土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%を目安に市町村が算定します。例えば、2,000万円で購入した土地であれば、固定資産税評価額は「2,000万円×70%=1,400万円」が目安です。住宅用地に対しては、税負担を軽減する特例措置があり、200平方メートル以下の部分については評価額の1/6、超過する部分は1/3に軽減されます。

<建物の評価額>

建物の評価額は、同じ建物を新築した場合にかかる「再建築価格」に、建築時からの経過年数に応じた「経年減点補正率」を乗じて計算します。一般的に新築時の建物の評価額は、建築費の約60%が目安です。例えば、建築費が2,000万円の新築戸建ての場合、評価額は「2,000万円×60%=1,200万円」となり、税額は「1,200万円×1.4%=168,000円」です。新築時には軽減措置が適用されるため、実際にはこれよりも少ない税額となります。

<都市計画税>

都市計画法で指定される「市街化区域」にある土地・建物には、「都市計画税」が加算されます。都市計画税は主に道路や公園、下水道の整備、土地区画整理事業など、都市の計画的な整備に必要な費用に充てられる目的税です。

都市計画税が課される地域では、「課税標準額×都市計画税率(上限0.3%)」が別途加算され、固定資産税と合わせて徴収されます。税率の上限は0.3%で、市町村が条例で決めます。

固定資産税の納税方法

新築住宅を取得すると、翌年度から固定資産税が課税され、毎年納付する必要があります。納付時期や納付方法を確認しておきましょう。

<納税時期>

固定資産税の納税通知書は、土地・家屋が所在する市町村から毎年4〜6月頃に発送されるのが一般的です。固定資産税は1年分の税額を4期に分けて納付しますが、納付期限は市町村によって異なるため、納税通知書を確認しましょう。

なお、1年分を一括払いで納付することも可能ですが、その場合は第1期の納付期限までに支払う必要があります。

納付期限までに支払わなかったときは、納付期限の翌日から納付日までの日数に応じた延滞金が発生します。税金の負担を増やさないためにも、納付期限までに支払いましょう。

<納付方法>

固定資産税の支払方法は納税通知書に記載されています。一般的には以下の支払方法があります。

● 金融機関の窓口

● 市区町村役場の窓口

● コンビニエンスストア

● 口座振替

● クレジットカード払い

● スマホ決済

固定資産税は年に4回納付する必要があるため、支払いにかかる手間を省きたい場合は口座振替がおすすめです。固定資産税の納付でポイントをためたい場合は、クレジットカード払いやスマホ決済を利用するとよいでしょう。

固定資産税の節税方法

新築住宅には固定資産税の軽減措置が設けられており、活用すると大きく節税できます。主な節税方法を3つご紹介します。

【新築住宅の減額措置を活用】

令和8年3月31日までに新築した戸建て住宅は、「床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下」などの要件を満たすと固定資産税の減額措置が適用されます。この制度により、住宅の床面積120平方メートルまでの部分について、新築後3年間の固定資産税が2分の1に減額されます。

多くの自治体では自動的に適用されますが、一部では申請が必要な場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。

【一般住宅の場合】

● 一般の住宅…3年度分

● 3階建て以上で耐火構造の住宅…5年度分

【長期優良住宅の場合】

● 一般の長期優良住宅…5年度分

● 3階建て以上で耐火構造の長期優良住宅…7年度分

【長期優良住宅の認定を受ける】

「長期優良住宅」の認定を受けると、減額措置の期間が3年間から5年間に延長されます。長期優良住宅とは、省エネルギー性や耐震性などに優れ、長期間にわたって良好な状態で使用できる住宅のことです。

認定を受けるためには申請が必要なので、忘れないように手続きしましょう。長期優良住宅は税金の優遇だけでなく、資産価値の維持や住宅ローン控除でも有利になります。

【住宅用地の特例で土地にかかる税金を大幅に軽減】

住宅用地は税負担をとくに軽減する必要があるため、面積によって特例措置が適用され、税負担が大きく軽減されます。

● 小規模住宅用地(200平方メートル以下):評価額の1/6

● 一般住宅用地(200平方メートルを超過する部分):評価額の1/3

住宅を新築した場合、「固定資産税の住宅用地申告書」という書類で申告が必要です。申告期限は、住宅を購入した年の翌年1月31日までです。

この特例により、更地のまま土地を所有するよりも、住宅を建てた方が土地の固定資産税は格段に安くなります。

固定資産税を抑えるポイント

固定資産税は、土地と家屋の評価額に課税されます。家を建てる前の設計段階から評価額を意識した工夫を行うことで、固定資産税の負担を抑えられます。

◎建材や設備のグレードに注意する

建物の評価額は、使用する建材や設備のグレードによって変動します。豪華な仕様や設備は評価額が上がるため、標準的な仕様にしておくと税負担を抑えやすくなります。

◎床面積を120平方メートル以内に抑える

新築住宅の減額措置では、床面積120平方メートルまでが対象になり、超過分には適用されません。可能であれば間取りを工夫して、床面積を調整すると固定資産税の負担を抑えられます。家族構成やライフスタイルに応じて、無理のない範囲で計画してみましょう。

◎小屋裏収納やロフトを活用する

小屋裏収納やロフトは、天井高1.4メートル以下などの条件を満たすことで、固定資産税の課税対象床面積に含まれない場合があります。このようなスペースをうまく活用すれば、居住空間の快適性を保ちながら固定資産税を抑えられます。

まとめ

新築一戸建てを購入すると、土地・建物それぞれに対して固定資産税が課されます。金額は建物の大きさや地域によって異なりますが、一般的には年間10〜20万円程度が目安です。

新築住宅には建物部分の減額措置があるため、初期の税金を大きく減らせます。また、家づくりの段階で評価額を意識しておけば、将来の固定資産税も軽減できます。固定資産税を正しく理解して、賢く安心して新生活をスタートさせましょう。

よくある質問

これまでご説明をした記事内容について、あらためてよくある質問としてまとめましたので参考にしてください。

Q1.固定資産税とは?

固定資産税とは、土地や建物などの固定資産を所有する人に毎年課される税金です。新築一戸建てを購入した場合は、土地と建物の両方に課税され、所有者が市区町村に納めます。課税の基準日は毎年1月1日で、その時点での所有者に対して納税義務が生じます。

Q2.課税対象となる資産は?

・土地…住宅地、農地など

・建物…住宅、店舗、工場、倉庫など

・償却資産…事業者が所有する構築物、車両、備品など

個人の住宅購入に関係あるのは土地・建物です。

Q3.固定資産税の税率は?

固定資産税の税率は標準で1.4%ですが、条例により1.5〜1.7%と設定している自治体もあります。さらに都市計画税がかかる地域では、固定資産税と合わせた税率が1.7%前後になることもあります。

Q4.固定資産税の計算方法は?

固定資産税は、原則として「課税標準額×税率(標準1.4%)」という計算式で求められます。課税標準額とは、市町村が定めた「固定資産税評価額」に特例措置などを適用して決まります。ただし、税率1.4%というのは標準税率であり、全国一律ではありません。1.5%〜1.7%と設定している自治体もあります。

Q5.土地の評価額とは?

土地の固定資産税評価額は、公示地価の70%を目安に市町村が算定します。例えば、2,000万円で購入した土地であれば、固定資産税評価額は「2,000万円×70%=1,400万円」が目安です。住宅用地に対しては、税負担を軽減する特例措置があり、200平方メートル以下の部分については評価額の1/6、超過する部分は1/3に軽減されます。

Q6.建物の評価額とは?

建物の評価額は、同じ建物を新築した場合にかかる「再建築価格」に、建築時からの経過年数に応じた「経年減点補正率」を乗じて計算します。一般的に新築時の建物の評価額は、建設費の約60%が目安です。例えば、建築費が2,000万円の新築戸建ての場合、評価額は「2,000万円×60%=1,200万円」となり、税額は「1,200万円×1.4%=168,000円」です。新築時には軽減措置が適用されるため、実際にはこれよりも少ない税額となります。

Q7.固定資産税の納税時期は?

固定資産税の納税通知書は、土地・家屋が所在する市町村から毎年4〜6月頃に発送されるのが一般的です。固定資産税は1年分の税額を4期に分けて納付しますが、納付期限は市町村によって異なるため、納税通知書を確認しましょう。なお、1年分を一括払いで納付することも可能ですが、その場合は第1期の納付期限までに支払う必要があります。

Q8.固定資産税の納税方法は?

一般的には以下の支払方法があります。

・金融機関の窓口

・市区町村役場の窓口

・コンビニエンスストア

・口座振替

・クレジットカード払い

・スマホ決済

Q9.新築住宅の減額措置とは?

令和8年3月31日までに新築した戸建て住宅は、「床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下」などの要件を満たすと固定資産税の減額措置が適用されます。この制度により、住宅の床面積120平方メートルまでの部分について、新築後3年間の固定資産税が2分の1に減額されます。

Q10.長期優良住宅の認定とは?

「長期優良住宅」の認定を受けると、減額措置の期間が3年間から5年間に延長されます。長期優良住宅とは、省エネルギー性や耐震性などに優れ、長期間にわたって良好な状態で使用できる住宅のことです。

Q11.住宅用地の特例とは?

住宅用地は税負担をとくに軽減する必要があるため、面積によって特例措置が適用され、税負担が大きく軽減されます。

・小規模住宅用地(200平方メートル以下):評価額の1/6

・一般住宅用地(200平方メートルを超過する部分):評価額の1/3

住宅を新築した場合、「固定資産税の住宅用地申告書」という書類で申告が必要です。申告期限は、住宅を購入した年の翌年1月31日までです。

Q12.固定資産税を抑えるポイントは?

◎建材や設備のグレードに注意

建物の評価額は、使用する建材や設備のグレードによって変動します。豪華な仕様や設備は評価額が上がるため、標準的な仕様にしておくと税負担を抑えやすくなります。

◎床面積を120平方メートル以内に抑える

新築住宅の減額措置では、床面積120平方メートルまでが対象になり、超過分には適用されません。可能であれば間取りを工夫して、床面積を調整すると固定資産税の負担を抑えられます。

◎小屋裏収納やロフトを活用

小屋裏収納やロフトは、天井高1.4メートル以下などの条件を満たすことで、固定資産税の課税対象床面積に含まれない場合があります。このようなスペースをうまく活用すれば、居住空間の快適性を保ちながら固定資産税を抑えられます。

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