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住まいのコラム 災害に強い家を建てる!新築を建てる前に知っておくべき重要なポイントは? 公開日:2025年8月18日(月)
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日本は地震や台風、豪雨など、毎年のように自然災害が発生しています。そのため、これから大切な家を建てる方にとって、災害時にも安心して暮らせる住まいを手に入れることはとても重要です。万一のときに被害を最小限に抑えるためには、家づくりの段階から防災を意識した設計や設備の導入が求められます。

本記事では、災害に強い家をつくるための具体的な方法について、土地選びから構造、基礎、間取り、設備まで解説します。大切な家族と住まいを災害から守るための参考にしてください。

災害に強い家づくりのポイント

災害に強い家とは、自然災害による被害をできるだけ軽減し、家族の安全と生活を守れる住まいのことです。地震・台風・豪雨などのさまざまな災害に備えるためには、次のようなポイントを押さえておく必要があります。

【災害リスクの低い安全な土地を探す】

まずは、災害が起こりにくく、災害リスクの低い安全な土地を選ぶことが基本です。いくら耐震性の高い家を建てても、土地自体が浸水や土砂災害のリスクが高い場所であれば、安全とはいえません。自治体が公表しているハザードマップを活用すると、地盤の強さや浸水、土砂災害のリスクを事前に確認できます。

また、家を建てる前には地盤調査を実施しましょう。地盤調査によって、地盤の強度や地層、液状化の可能性、地下水の深さなどを把握できます。軟弱地盤であった場合は、地盤改良の工事が必要になることもあります。

【耐震等級が高い構造にする】

建物自体の構造も、災害に強い家づくりの重要な要素です。地震対策として重視されるのが「耐震等級」です。これは建物の強度を示す指標で、3段階に分かれています。数字が大きいほど、地震発生時の被害を抑えられます。

● 耐震等級1:建築基準法の最低限の耐震性能。震度6〜7の地震に1度は耐えられる。

● 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性。震度6〜7の地震に耐えられる。一部の補修を行えば地震後も生活できる可能性が高い。

● 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性。震度6〜7の地震やその後の余震にも耐えられる。地震後も一部の補修のみで住み続けられる。

【耐震性の高い基礎を選ぶ】

建物全体を支える「基礎」も耐震性に影響します。基礎とは、建物の荷重を地盤に伝える部分です。住宅の基礎工法で代表的なのは、「布基礎」と「ベタ基礎」の2種類です。

● 布基礎:建物の壁の下に沿ってコンクリートの基礎を設置します。コストを抑えられますが、荷重が建物の周りや柱の下だけに集中しやすいのが特徴です。

● ベタ基礎:建物の床下全面に鉄筋コンクリートを敷きます。荷重を面全体で分散できるため、耐震性が高いことが特徴です。地面からの湿気やシロアリ対策にもなります。

現代の木造住宅では、耐震性の高いベタ基礎が主流です。コストは布基礎より高くなるものの、災害への備えとしては大きな安心材料となります。

【シンプルな形状・間取りにする】

建物の形状や間取りも耐震性に大きく影響します。地震に強い家の特徴は、正方形や長方形のシンプルな形状です。これらの形状は、地震の揺れを均等に分散しやすいため安定します。また、柱や壁が多い間取りにすると、建物全体をバランスよく支えられて、耐震性が向上します。

一方で、倒壊リスクが高くなりやすい家の特徴は、コの字型やL字型など凸凹の多い形状や、2階部分が1階より張り出しているオーバーハング構造です。1点に負荷がかかりやすいため、崩れやすくなってしまいます。また、大きな吹き抜けや、壁や柱の少ない開放的なリビングも耐震性を低下させる要因になります。

さらに、屋根の重さも重要です。重い瓦屋根は建物全体にかかる負荷が大きいため、軽量なガルバリウム鋼板などに変更すると建物の揺れを軽減できます。

【災害に備えた設備を導入する】

災害に強い家づくりでは、非常時の生活を支えるための設備を整えておくことも大切です。たとえば、地震や台風の影響で長時間の停電や断水が発生した場合でも、太陽光発電や蓄電池、雨水タンクなどがあれば、復旧までの時間も電気や水に困ることなく普段に近い生活が送れます。さらに、火災の延焼リスクを軽減する電動シャッター、飛来物から窓ガラスを守る窓シャッター、食料や防災グッズを保管できるパントリーなど、災害に備える設備は多岐にわたります。

このような設備を導入すれば、災害時の被害を最小限に抑えるだけでなく、復旧までの間も安心して生活できるでしょう。

次の章では、災害対策としてとくにおすすめの設備について詳しく解説します。

災害に強い家づくりにおすすめの設備

ここからは、実際に災害対策としておすすめの設備をご紹介します。非常時に役立つだけでなく、日常生活の快適さや安心感も高めてくれます。

[太陽光発電システム/蓄電池]

太陽光発電システムは、屋根の上にパネルを設置して自家発電できる仕組みです。災害による停電時でも、日中に電気を使用できる大きなメリットがあります。さらに蓄電池を併用することで、昼間に発電した電気を蓄え、夜間や悪天候時にも電力を使えるようになります。2~3日分の電力をまかなえる蓄電池を備えておくと、災害時にも安心です。

また、太陽光発電は日常的にも電気代の節約や、余剰電力の売電収入といった経済的メリットがあります。導入には初期費用がかかりますが、国や自治体の補助金制度を利用すれば、費用負担を大きく抑えることも可能です。

[窓シャッター]

台風や強風時には、飛んできた物が窓ガラスを直撃して割れる危険性があります。割れたガラスの破片によるケガや、吹き込んだ雨水で室内が水浸しになることも考えられます。このような事態を防ぐには、窓にシャッターを設置することが有効な対策です。飛来物から窓を守り、被害を最小限にとどめられます。また、窓シャッターは防災以外にも、防犯や遮音性の向上、断熱性アップなど、普段の暮らしに快適さと安心をもたらしてくれます。

[パントリー]

災害時はライフラインが止まり、食料や生活用品が手に入りにくくなることがあります。そのようなときの備えとして、食品や日用品を保管できる収納スペース「パントリー」を設けておくと安心です。

備蓄する食品は、保存性の高い非常食だけでなく、普段から使える食材も含めておくと便利です。「ローリングストック法」という備蓄方法は、賞味期限が古いものから日常的に消費して、消費した分を買い足すことで、常に一定量をストックできます。備蓄の目安は、家族の人数×最低3日分です。できれば1週間分を備えておくとさらに安心です。飲料水や防災グッズ、簡易トイレなども合わせて備えておきましょう。

万一に備えて保険に加入しておこう

自然災害に備えていても、災害規模によっては住宅が損壊することがあります。万一に備えて、火災保険や地震保険に加入しておくことで、生活再建のための経済的な支えになります。

<火災保険>

火災保険とは、住まいが火災の被害に遭った際の損害を補償する保険ですが、それだけではありません。火災保険の多くは、落雷や破裂・爆発による損害も補償されます。また、保険の種類によっては、風災・雪災・雹(ひょう)災・水災・盗難などによる損害も補償の対象となります。水災とは、大雨などによる洪水や高潮、土砂崩れなど、水が原因で発生する災害の総称です。火災保険では、台風や暴風雨、豪雨などによる洪水や融雪洪水、高潮、土砂崩れ、落石などによって建物や家財が損害を受けた場合に補償が受けられます。保険商品によって補償の範囲は異なりますが、自然災害によって起こる被害のほとんどはカバーできます。

火災保険の対象は「建物」と「家財」です。建物だけに保険を掛けた場合、火災で家が燃えても建物の損害分しか保険金を受け取れません。家具や日用品などの家財の損害についても補償を受けるには、家財も保険の対象に設定して申し込む必要があります。なお、住宅ローン利用時は、火災保険への加入が必須です。

<地震保険>

地震保険は、地震やそれに伴う津波・噴火による損害を補償する保険です。火災保険だけでは地震が原因の火災による損害は補償されないため、地震のリスクに備えるには地震保険への加入が必要です。地震保険は単独で加入できないため、火災保険とセットで契約します。地震保険制度は政府と民間の保険会社が共同で運営しているため、どの保険会社で契約しても補償内容や保険料は同じです。

地震保険の保険金は、建物5,000万円、家財1,000万円が上限で、火災保険金額の30〜50%の範囲内で設定されます。再建築費用の補填を目的としているため、火災保険のように実際の損害をカバーできませんが、補償額を上乗せできる特約プランもあります。

まとめ

日本のどの地域に住んでいても、自然災害に遭うリスクは避けることはできません。そのため、新築一戸建てを建てる際は、災害に強い家づくりを意識することが大切です。土地選びから建物の構造や基礎、間取り、設備、保険まで、総合的な備えをすることで、災害が発生した時の被害を最小限に抑えられます。

これから家を建てる方は、ぜひ災害に強い家にこだわって、安心・安全な暮らしを実現しましょう。

よくある質問

これまでご説明をした記事内容について、あらためてよくある質問としてまとめましたので参考にしてください。

Q1.自然災害とは?

異常気象などの自然現象が原因で、人や社会に被害をもたらす災害のことです。

主な自然災害は、地震、台風、豪雨、津波、洪水、高潮、豪雪、竜巻、火山噴火、土砂災害、干ばつ、冷夏、落雷など。

Q2.災害に強い家とは?

自然災害による被害をできるだけ軽減し、家族の安全と生活を守れる住まいのことです。

Q3.災害に強い家づくりのポイントは?

・災害リスクの低い安全な土地を探す

・耐震等級が高い構造にする

・耐震性の高い基礎を選ぶ

・シンプルな形状・間取りにする

・災害に備えた設備を導入する

Q4.災害リスクの低い安全な土地を探すには?

各自治体が公表しているハザードマップを活用すると、地盤の強さや浸水、土砂災害のリスクを事前に確認できます。

Q5.地盤調査のメリットは?

地盤調査によって、地盤の強度や地層、液状化の可能性、地下水の深さなどを把握できます。軟弱地盤であった場合は、地盤改良の工事が必要になることもあります。

Q6.耐震等級とは?

建物の強度を示す指標で、3段階に分かれています。数字が大きいほど、地震発生時の被害を抑えられます。

耐震等級1:建築基準法の最低限の耐震性能。震度6〜7の地震に1度は耐えられる。

耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の耐震性。震度6〜7の地震に耐えられる。一部の補修を行えば地震後も生活できる可能性が高い。

耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の耐震性。震度6〜7の地震やその後の余震にも耐えられる。地震後も一部の補修のみで住み続けられる。

Q7.布基礎とは?

建物の壁の下に沿ってコンクリートの基礎を設置します。コストを抑えられますが、荷重が建物の周りや柱の下だけに集中しやすいのが特徴です。

Q8.ベタ基礎とは?

建物の床下全面に鉄筋コンクリートを敷きます。荷重を面全体で分散できるため、耐震性が高いことが特徴です。地面からの湿気やシロアリ対策にもなります。

Q9.地震に強い家の形状は?

正方形や長方形のシンプルな形状です。これらの形状は、地震の揺れを均等に分散しやすいため安定します。また、柱や壁が多い間取りにすると、建物全体をバランスよく支えられて、耐震性が向上します。

Q10.地震に弱い家の形状は?

コの字型やL字型など凸凹の多い形状や、2階部分が1階より張り出しているオーバーハング構造です。1点に負荷がかかりやすいため、崩れやすくなってしまいます。

Q11.災害に備えた設備は?

災害対策としておすすめの設備をご紹介します。

[太陽光発電システム/蓄電池]

太陽光発電システムは、屋根の上にパネルを設置して自家発電できる仕組みです。災害による停電時でも、日中に電気を使用できる大きなメリットがあります。さらに蓄電池を併用することで、昼間に発電した電気を蓄え、夜間や悪天候時にも電力を使えるようになります。

[窓シャッター]

台風や強風時には、飛んできた物が窓ガラスを直撃して割れる危険性があります。割れたガラスの破片によるケガや、吹き込んだ雨水で室内が水浸しになることも考えられます。このような事態を防ぐには、窓にシャッターを設置することが有効な対策です。

[パントリー]

災害時はライフラインが止まり、食料や生活用品が手に入りにくくなることがあります。そのようなときの備えとして、食品や日用品を保管できる収納スペース「パントリー」を設けておくと安心です。

Q12.火災保険とは?

火災保険とは、住まいが火災の被害に遭った際の損害を補償する保険です。火災保険の多くは、落雷や破裂・爆発による損害も補償されます。また、保険の種類によっては、風災・雪災・雹(ひょう)災・水災・盗難などによる損害も補償の対象となります。

Q13.火災保険の対象は?

火災保険の対象は「建物」と「家財」です。建物だけに保険を掛けた場合、火災で家が燃えても建物の損害分しか保険金を受け取れません。家具や日用品などの家財の損害についても補償を受けるには、家財も保険の対象に設定して申し込む必要があります。

Q14.地震保険とは?

地震保険とは、地震やそれに伴う津波・噴火による損害を補償する保険です。火災保険だけでは地震が原因の火災による損害は補償されないため、地震のリスクに備えるには地震保険への加入が必要です。

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