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住まいのコラム 家の暑さ対策は間取りで解決!新築や建て替えをご検討の方は必見です 公開日:2025年7月22日(火)
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日本の夏は猛暑日が続くことも多く、室内での暑さ対策は欠かせません。エアコンなどの家電に頼る方法もありますが、これから新築や建て替えを検討されている方は、間取りの工夫によって、夏を涼しく過ごせる住まいを実現できるチャンスです。

本記事では、暑い夏を少しでも快適に涼しく過ごすための方法として、すぐにできる対策から、新築や建て替え時のポイントまでを解説します。ぜひ参考にしてください。

家の中で手軽にできる暑さ対策

夏は、家の中に熱気がこもって暑くなりがちです。手軽に取り入れられる暑さ対策をご紹介します。

<窓を開けて換気する>

夏はカーテンなどで直射日光を遮断しても、屋根や壁からの熱が室内に入り込み、気温が上がってしまいます。部屋に熱がこもって暑く感じるときは、まず換気をして、部屋にこもった熱を外に逃がしましょう。対角線上にある2ヵ所の窓を開けて、風の通り道をつくると空気が流れやすくなり、効率よく換気できます。

<サーキュレーターや扇風機などの使用>

サーキュレーターや扇風機を使えば、空気の流れを作り、効率よく換気ができます。特に、窓が一方にしかない場合に効果的です。窓の外に向けて風を送ることで、室内にこもった熱気を外に逃がせます。

<照明をLEDにする>

家の照明をLEDに取り換えることも、暑さ対策の一つです。白熱電球は熱として発するため、点灯している時間が長くなると室温の上昇につながることがあります。一方、LEDは電気エネルギーを直接光に変換するため、熱の放出が少ないのが特徴です。照明をLEDに取り換えるだけでも、室温の上昇を抑える効果が期待できます。

<遮光カーテンを活用する>

遮光カーテンを利用することで、窓から室内に入る日差しを遮断し、部屋の温度上昇を抑えられます。日中の日差しが強い時間帯はカーテンを閉めておくことで、エアコンの冷房効率も上がります。さらに、窓の外にすだれを設置すれば、窓自体の温度上昇を抑えられるため、より効果的に室内の熱ごもりを防ぐことが可能です。

<観葉植物を置く>

観葉植物を置くことも、室内の暑さ対策の一つです。植物は、葉から水分を水蒸気として放出する「蒸散」という働きをもっており、その過程で周囲の熱を奪うため、打ち水と同じような効果が得られます。

涼しい空間づくりのために観葉植物を置くなら、枝葉の多いベンジャミンやアグラオネマ、サンスベリアなどがおすすめです。枝葉が多い方が光合成や蒸散を多く行うため、より高い冷却効果が期待できます。

観葉植物を置いたからといって冷房が不要になるわけではありませんが、できるだけ自然の力を活用して快適な空間を作りたい方は、観葉植物を取り入れてみてはいかがでしょうか。

<打ち水>

夏は強い日差しによって、屋根や壁が熱を持ちやすくなっているため、外壁やベランダ、玄関などに打ち水をしましょう。打ち水をすることで気化熱により周囲の熱を奪い、表面温度を下げられます。マンションの場合は壁に打ち水をするのが難しいため、ベランダに水をまくことでも効果が期待できます。ただし、水が蒸発すると打ち水の効果は続きません。打ち水の効果を長持ちさせたい場合には、直射日光が当たらない時間帯や日陰で行うのがおすすめです。

<緑のカーテン(園芸)>

直射日光が室内に差し込むと、室温が上昇しやすくなります。このような日差しを遮る方法には、「緑のカーテン」があります。緑のカーテンとは、つる性植物を育てて建物の窓や壁を覆うように茂らせることです。

植物の葉が太陽光を遮ることで、室内に差し込む日差しを遮断し、温度上昇を防ぐ効果が期待できます。また、植物は葉の表面から水分を蒸散し、その際の気化熱によって周囲の熱を奪い、涼しさをもたらしてくれます。このような自然の冷却作用により、室内のエアコン使用時間を短くでき、省エネにもつながるでしょう。

緑のカーテンはさまざまなつる性植物で作れますが、なかでも成長が早く、葉が大きなへちまは園芸初心者にも育てやすくておすすめです。また、ゴーヤは丈夫で育てやすいうえに、収穫して食べる楽しみも味わえます。

<冷感グッズを取り入れる>

暑い夏には、冷感グッズを取り入れるのも効果的です。接触冷感素材を使った寝具やラグ、クッションなどを使うと、肌に触れたときのひんやり感が心地よく、体感温度を下げられます。特に、寝具に取り入れると、熱帯夜の寝苦しさを軽減でき、快眠につながるでしょう。冷感グッズは室温そのものを下げるわけではありませんが、快適さを高めるための対策としておすすめです。

新築時に取り入れたい暑さ対策

これから新築や建て替えを検討している方は、夏の暑さ対策につながる間取りや設計を検討してみましょう。夏も涼しく過ごせるような工夫を取り入れることで、快適な住環境を実現できます。

【断熱性能を高くする】

断熱性能を高めると、外気の暑さや寒さが室内に伝わりにくくなるため、夏は涼しく冬は暖かい快適な住まいが手に入ります。壁や屋根、床下に高性能な断熱材を十分な厚みで隙間なく施工することが大切です。

あわせて気密性を高めることで、外部からの熱の侵入を効果的に防げます。断熱性と気密性の高い家は外気温の影響を受けにくいため、エアコンの効きがよくなり、省エネにつながります。

また、熱は窓からの流入がもっとも大きいため、窓の断熱性能を高めることも重要です。アルミサッシのように外気の影響を受けやすいタイプは避け、樹脂製のトリプルガラスサッシなどを採用すると、断熱性能を大幅に向上させられます。

【窓の配置を工夫して風通しを良くする】

暑さ対策には、風通しの良さも重要なポイントです。風通しの良い住まいにするためには、窓の向きや配置を工夫しましょう。日本では、一般的に夏は南東から、冬は北西から風が吹く傾向があります。自然の風を効率よく取り込むためには、南と北の双方に窓を設けるとよいでしょう。家の中を風がスムーズに通り抜け、室内の熱気を排出しやすくなります。

さらに、温かい空気は上昇するという性質を利用した換気方法もあります。空気の入り口となる窓を低い位置に、出口となる窓を高い位置に設置することで重力換気が可能になり、より効果的な空気の流れを生み出すことが可能です。

【例】吹き抜け+高窓の活用

吹き抜け空間の上部に高窓を設置し、熱気が自然に上昇・排出されるようにします。

【南の窓には庇(ひさし)をつけて日差し対策をする】

夏と冬では日差しの角度が異なるため、それぞれに対応できる設計を取り入れると、一年を通して快適に過ごせます。冬は太陽の高度が低く、南向きの窓から室内に日差しが差し込むため、大きな窓を設置すると自然に部屋が暖まります。

一方、夏は太陽の高度が高いため、室温の上昇を防ぐには、直射日光を遮る庇(ひさし)を設けると効果的です。さらに断熱性の高いLow-Eガラスを採用すれば、冷暖房効率が向上して省エネにつながります。

【西の窓は小さめにする】

東や西の窓からは、太陽の高度が低い時間帯の直射日光が入りやすいため注意が必要です。特に、西側の窓は夕方の強い西日が差し込みやすく、室温が急上昇する原因になります。西日は角度が低く、庇で遮ることが難しい場合もあります。西向きの部屋は窓のサイズをなるべく小さくすることが、暑さ対策に効果的です。ただし、窓を小さくすると日当たりが悪くなり、室内が暗くなる可能性もあるため、室内の明るさを損なわないように採光とのバランスを考慮しましょう。

【シーリングファンをつける】

高い天井を確保できる住まいでは、シーリングファンの設置も夏の暑さ対策に有効です。シーリングファンは部屋の温度を下げるわけではありませんが、室内の空気を撹拌(かくはん)して循環させるため、部屋の温度ムラをなくして冷房効率を上げられます。また、シーリングファンの微風が体に当たることで体感温度を下げ、涼しさを感じやすくなるというメリットもあります。

【その他、間取りでできる暑さ対策】

上記以外にも、新築時に検討しておきたい暑さ対策にはいくつかの方法があります。ぜひ参考にしてみてください。

● 通風を意識した間取り

建物の対角線上に窓を配置し、風が抜けやすいようにします。南北に窓を設けることで、夏に心地よい風を室内に通すことができます。

● 玄関や階段を風の通り道に使う

玄関から階段ホール、そして2階の高窓へと空気の流れをつくることで、上昇気流によって熱気を排出できます。

● 水まわりや収納を西側に配置

暑くなる西側に長時間いない場所を配置することで、居室を西日の影響から守ります。

● 庭・中庭・坪庭を取り入れる

自然の緑や水を取り入れた中庭が、風通しと温度調節の役割を果たします。

● 部屋の配置を時間帯と温度に合わせる

朝の光が心地よい東側に寝室を、暑くなる午後は非居住空間にするなど、時間帯を意識した配置が有効です。

● 土間空間・和室の活用

ひんやりとした土間や畳の空間は、心理的にも物理的にも涼しさを感じられます。

まとめ

暑い夏は、たとえ室内にいても熱中症のリスクがあるため、エアコンの使用は欠かせません。しかし、暑さ対策は冷房に頼るだけでなく、日常生活の中に取り入れやすいちょっとした工夫でも効果を発揮します。例えば、換気や打ち水、観葉植物など、手軽に取り組める方法があるため、ぜひこの夏は暑さ対策を取り入れて、夏を快適に乗り切りましょう。

また、新築や建て替えを検討している場合は、夏に涼しく過ごせるような間取りを積極的に検討してみましょう。窓の大きさや配置、断熱性能、風通しの設計などを意識することで、夏を快適に過ごせる住まいを実現できます。

本記事でご紹介した内容を参考に、ご家庭に合った暑さ対策を取り入れて、暑い夏を少しでも快適に乗り切りましょう。

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