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住まいのコラム 全館空調は導入すべき?メリット・デメリット、注意点やポイントをしっかり理解した上で検討しましょう! 公開日:2025年4月10日(木)
  • #注文住宅
  • #暮らし

新築で注文住宅を建てるなら、空調設備は全館空調を選ぶことも可能です。空調設備にはエアコンという選択肢もありますが、さまざまな選択肢の中からライフスタイルや理想の暮らしに合うものを選んではいかがでしょうか。ただ全館空調には注意点もあるため、検討する際はメリットとデメリットの両方を理解することが大切です。

本記事では、全館空調のメリット・デメリット、注意点やポイントを解説します。

全館空調とは

全館空調とは、家の中の空気を循環させて、家全体の温度を均一に保つ冷暖房システムです。設置した部屋のみを涼しくしたり暖めたりするエアコンとは異なり、家の中を隅々まで一定の温度に保ちます。そのため、全館空調を導入すれば、エアコンを設置しない廊下や洗面所なども快適な温度に保てます。

全館空調を導入するメリット

全館空調を導入する主なメリットをご紹介します。

【家の中のどこにいても快適な温度】

全館空調を導入すると、家中を快適な温度に保てます。エアコンのように、設置している部屋としていない部屋で大きな温度差が生じることもありません。季節に関係なく、いつも快適な温度の空間で過ごせることが、全館空調の大きな魅力です。

冬場に急増するヒートショックは、家の中の急激な温度差が原因で起こりますが、全館空調だと家の中で寒暖差が生じないため、冬場に脱衣所が冷えることもありません。また、近年は夏場の室内熱中症が増加傾向にあります。室内でエアコンを使っていても、冷房が効きにくい場所では高温になりやすいですが、全館空調だと家中を隅々まで一定の温度に保てます。

全館空調を導入すれば、家の中のどこにいても快適に過ごせるだけでなく、ヒートショックや室内熱中症のリスクを軽減し、健康を守るメリットもあります。

【見た目がすっきりする】

壁掛けタイプのエアコンは存在感があるため、デザイン性の高い住宅の場合は、空間の雰囲気とエアコンが調和しないこともあります。一方、全館空調は室内の露出が減るため、インテリアをすっきり見せられます。

全館空調では、室内機は1台のみで済みます。空調室など設置スペースは必要ですが、室内には吹き出し口しか露出しないため、部屋のデザイン性を損なうことはありません。また、室外機も1〜2台程度でよいため、外観もすっきりさせることができます。

【空気をきれいに保てる】

全館空調には換気機能が備わっており、メーカーによっては空気清浄機能を備えたモデルもあります。高性能フィルターを搭載したタイプは、花粉やPM2.5が室内に入るのを抑えられるため、家の中の空気を清潔に保ちやすくなります。これも全館空調のメリットの一つです。

【自由な間取りを実現しやすい】

エアコンを使用する場合、冷暖房効率を高めるには間仕切りを設けるなど、間取りに制限が生じます。また、部屋のどこに取り付けるかは、室外機を設置する場所との兼ね合いを考えなくてはいけません。一方、全館空調は広い空間でも室温を快適に保てるため、開放的なLDKなど自由度の高い間取りが可能です。吹き抜けやリビング階段の間取りは、「コールドドラフト」と呼ばれる底冷え現象が起こりやすいですが、全館空調であれば空気が循環するため、大空間の間取りでも冬場でも、寒さを感じにくいメリットがあります。

全館空調を導入するデメリット

全館空調にはデメリットもあります。導入を検討する際は、デメリットも把握しておきましょう。

【簡単に温度変更ができない】

全館空調は家全体を一括で調整しているため、エアコンのように簡単に温度設定を変更することができません。例えば、家族に暑がりの人と寒がりの人がいても、各部屋で好みの温度設定にできない点がデメリットといえます。ただメーカーによっては部屋ごとに温度調整ができる機種もあります。

【空気が乾燥しやすい】

全館空調のデメリットの一つに、空気が乾燥しやすいことが挙げられます。冬場の冷たい空気は水分をあまり含んでいないため、暖房を使うと家全体が乾燥しやすくなります。また、全館空調は家全体の空気を循環させるため、一部の部屋だけ加湿器を使っても湿気が家中に分散され、十分な加湿効果を得にくいという課題があります。ただ加湿機能付きの全館空調もあるため、導入を検討する際はあらかじめ相談するとよいでしょう。

【故障時には家中の空調が一斉に止まる】

全館空調は室内機が1台のみのため、故障すると家全体の空調が止まってしまいます。一方、エアコンであれば、1台が故障しても他の部屋のエアコンで快適に過ごせます。しかし、全館空調の場合は修理が完了するまで家中の空調が使えず、不便を強いられます。また、修理には時間がかかることが多く、修理費用も高額になりがちです。

このようなリスクを避けるためにも、定期的な点検やフィルター交換などのメンテナンスが重要です。

全館空調の導入コスト

全館空調を導入すると、電気代が高くなるのではないかと気になる方も少なくないでしょう。全館空調の導入費用とランニングコストの目安について解説します。

[導入費用]

全館空調の導入費用は種類によっても異なりますが、新築の注文住宅の場合は100万円~300万円が目安です。既存住宅をリフォームして全館空調にする場合は、天井裏や壁内にダクトを通す工事が必要になるため、300万円以上かかることもあります。また既存住宅は導入が難しい場合もあるため、事前に現地調査が不可欠です。

導入費用には機器本体の価格と工事費用が含まれます。本体価格は性能やメーカーによっても異なり、加湿・除湿機能、空気清浄機能、部屋ごとの温度設定機能など、付加機能が充実していると導入費用が高くなります。

全館空調の導入費用は高額になりますが、長期的に快適な住環境を保てるうえに、健康面への配慮があることは見逃せません。エアコンとは異なり、住宅ローンに組み込むことが可能なので、税制上のメリットもあります。

[ランニングコスト]

全館空調は24時間運転が推奨されているため、電気代が気になる方も多いでしょう。電気代は、住宅の広さや機器の性能、設定温度などによって異なるため一概にはいえませんが、エアコンと比較してやや高め、またはさほど変わらない程度とされています。

全館空調の導入には高気密・高断熱が条件なので、冷暖房効率がよく、電気代を抑えられるケースもあります。電気代が気になる場合は、建築を依頼する工務店やハウスメーカーに電気代の見積もりを依頼するとよいでしょう。

導入する際の注意点・ポイント

最後に全館空調を導入する際の注意点やポイントを3つ挙げます。

◎高気密・高断熱であることが導入の条件

全館空調を導入するのであれば、高気密・高断熱であることが欠かせない条件です。気密性や断熱性が低い住宅では冷暖房効率が悪いため、全館空調の快適さをあまり実感できません。電気代も高くなってしまうでしょう。全館空調の導入を検討している方は、建物の気密性や断熱性について工務店や住宅メーカーに相談してから検討した方がよいでしょう。

◎冷暖房の方式を選ぶ

全館空調の冷暖房方式は、主に以下の4種類があります。

● 天井吹き出し型…天井裏などにエアコンを設置して、ダクトで各部屋へ送風する

● 床下冷暖房型…断熱した基礎部分に熱を蓄え、輻射熱で家全体を冷暖する

● 壁パネル輻射型…壁に設置したパネルの輻射熱を利用して、家全体を冷暖する

● 壁掛けエアコン型…壁掛けエアコンを稼働させ、各部屋へ送風する

この中で一般的な方式は、天井吹き出し型ですが、それぞれ特徴やコストなどが異なるため、ライフスタイルや経済性も合わせて検討しましょう。

アフターサービスが充実しているか確認する

全館空調は設置したら完了ではなく、定期的なメンテナンスが必要です。導入する際は、定期的なメンテナンスの有無や内容を確認し、アフターサービスが充実している工務店やハウスメーカーを選びましょう。保証の内容も確認しておくと安心です。

まとめ

家中の温度を快適に保つ全館空調。冬のヒートショックや、夏の室内熱中症のリスクを軽減する健康面のメリットもあります。エアコンに比べると導入費用が高額になりますが、1年を通して家の中を快適な温度に保てるのは大きな魅力です。住宅の断熱性能によっては電気代を節約できる可能性もあります。ただし、全館空調はメリットだけではありません。デメリットも把握したうえで検討する必要があります。とくに故障のリスクを考えると、メンテナンスをしっかり行うことが大切です。

全館空調を導入する際は、定期的なメンテナンスやアフターサービスについても工務店やハウスメーカーにしっかり確認しましょう。

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