家を長期にわたり美しく保つためには、メンテナンスはとても重要です。ここでは、家のメンテナンスの重要性や基礎知識、そして、家を長持ちさせるためのポイントについてご紹介します。
家とは、そこに住まう人の暮らしを長い年月に渡って守ってくれるものです。そのため、快適に過ごすためには、家のメンテナンスは欠かすことはできません。
家を必要なタイミングでメンテナンスを行わず、そのままにしておくと、家の劣化スピードが速まるだけでなく、場合によっては補修に多額の費用が発生することにもなってしまいます。
まずは、メンテナンスと補修の違いについて説明します。
補修とは、壊れたり傷んだりした部分を補って、元の状態に直すことです。例えば、「水栓が壊れて、水が止まらなくなってしまった」「給湯器が壊れて、お湯が出なくなってしまった」という場合、すぐに修理をしなければ生活に支障が生じます。このような壊れた部分を修理するのが、補修にあたります。
一方メンテナンスとは、正常な状態を維持するために、定期的に点検をしたり、消耗部品の交換をしたりすることです。そのため、家を長く美しく保つためには、メンテナンスが必要となります。
家は、完成した時点から劣化が始まります。それは、毎日の暮らしの中で使用する設備やインテリア、外装だけでなく、普段、目にすることができない内部の躯体や構造部分に至るまで、すべての部分が経年劣化していきます。そのため、家を長く、美しい状態に保つためには、日々の手入れや定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスを行うことで、良い状態を維持でき、快適な住空間を保てます。
定期的にメンテナンスを行うことは、家を長く美しく保つだけでなく、さまざまなメリットがあります。
家が壊れたり傷んだりする前にメンテナンスを行うことで、長く、美しい状態を保てます。家を美しく保つということは、目で見える部分だけでなく、普段は目に見えない躯体や構造部分も良好な状態である必要があります。しかし、経年劣化により、湿気や外部から侵入してきた雨水などの影響で、内部の構造体の破損や腐敗が進んでいるケースも少なくありません。こうした状態を放置しておくと、家そのものの寿命を縮めてしまうことにもなります。
家は、それ自体に価値のある資産ですが、新築から年数を経るごとに、その資産価値は下がっていきます。しかし、定期的にメンテナンスを行い、良い状態に維持していくことで、ある程度、その価値を保つことができます。
家をメンテナンスするためには、やはり、それなりに費用がかかります。そのため、部品などの交換時期が過ぎても、「まだ、使えるから」「壊れてから修理、または交換すればいい」と、メンテナンスをせずに、そのままにしている人もいることでしょう。しかし、メンテナンスをせずに放置しておくと、いざ修理をしよう、あるいはリフォームをしようとする際に、予想外の出費がかかることも少なくありません。
よくあるのは、キッチンや浴室のリフォームの際に解体をしてみると、内部の構造体に水が浸入し、躯体から修繕をしなければならないというケースです。キッチンの水栓から、長い間、じわじわと水漏れがしているのが気になっていたものの、そのまま使い続けていた家では、リフォームの際にキッチンを解体すると、床下部分まで浸水しており、予想外の補修費用がかかってしまった、というケースもあります。
また、浴室のタイルやコーキングのひび割れが起こったまま使用していた家では、破損箇所から水が浸入していたために、躯体や構造体が腐敗し、多額の補修費が別途必要となったケースもあります。
このように、メンテナンスをせずに、そのまま放置しておくと、リフォームの際に、予想外の出費がかかってしまうことがあるのです。こうした出費を抑えるためには、定期的なメンテナンスを欠かすことができません。
家の寿命は、木造で30年、鉄筋造で30~50年、鉄筋コンクリート造で50~90年が目安とされています。最近では、住宅性能の向上により住宅の長寿化が進んでいますが、家を建てるために使用される建材や部材、設備などには、それぞれに耐用年数があります。そのため、そのタイミングに合わせて、メンテナンスを行う必要があります。
給湯器の耐用年数は、およそ10年です。もちろん、10年経てば、すぐに故障するというわけではありません。しかし、耐用年数を過ぎて長く使用していると、燃焼効率が下がり、光熱費が高くなる傾向があります。給湯器は、故障するとお湯が使えなくなるため、特に冬場は生活にも支障がでてきます。
給湯器は、設置後10年が経過したら、交換することがおすすめです。
システムキッチンやシステムバスなどの水回りの設備は、20年がリフォームの目安となります。見た目にはきれいな状態に見えていても、内部に水が浸入し、躯体や構造体に影響を及ぼしていることもあり、放置しておくと予想外の出費がかかることがあります。
このほか、水栓やパッキンの交換・コーキングの補修などは、3~5年ごとに点検し、補修が必要な場合は、できるだけ早く対処するようにしましょう。
畳やフローリング・壁紙は、使用頻度により異なりますが、5~10年を目安に交換するのがおすすめです。こうした内装材は、経年劣化していくだけでなく、汚れや傷などがつきやすいため、家を長く美しい状態に保つためには、早めのメンテナンスが欠かせません。
毎日、生活する中で目にしている場所のため、汚れなどには気づきにくいものですが、壁紙が汚れてくると、部屋全体が暗いイメージになってしまいます。定期的にメンテナンスを行うことで、心地よく、快適な毎日を過ごせます。
キッチンや浴室、リビングなどの居室部分の定期的なメンテナンスを行うことで、家を長く美しく保てます。しかし、一般的に木造の住宅は30年が寿命とされているため、築25年を過ぎたら大規模なリフォームを検討する必要があります。
最近の住宅は、品質や性能の向上により、建物の寿命が長くなっています。使用されている建材や構造材、工法などの違いによって、保証期間やメンテナンス内容はハウスメーカーごとに異なります。
家の新築時、ハウスメーカーを選ぶ際には、メンテナンス内容もしっかり確認しておくとよいでしょう。
家のメンテナンスの基本について、部位ごとにわけて説明いたします。
外部のメンテナンス箇所には、屋根や外壁のほか、バルコニーやテラスなども含まれます。
主な部位とメンテナンスのポイントは、以下の通りです。
台風や地震などの自然災害の後には、破損個所がないか確認します。屋根に上ると危険なため、近くにある、家より高い場所や少し離れた場所から確認するようにしましょう。
瓦屋根やスレート瓦、鋼板屋根など種類によりメンテナンスのタイミングは異なります。ただし、つなぎ目や隙間などに使用しているシーリングは、太陽光や風雨により劣化するため、5~10年ごとに打ち替えることで、内部への雨水の侵入リスクを軽減することができます。
雨どいは、季節ごとに確認し、落ち葉などのゴミが詰まっていた場合は、破損の原因となるので、早めに撤去するようにしましょう。一般的な雨どいの耐用年数は、およそ20~30年です。
外壁は、室内温度を快適に保つ上、内部への雨水の浸入を防ぐために重要な部位です。使用されている外壁材により、外壁の耐用年数は異なりますが、およそ10年が目安となります。メンテナンスのタイミングは、施工業者に事前に確認しておくようにしましょう。
つなぎ目や隙間のシーリングがひび割れを起こしていると、内部に雨水が浸入しやすくなるため、早めの対処が必要です。
バルコニーやテラスの耐用年数は、およそ20年ですが、素材や設置場所により異なります。表面に防水処理が施されている場合、種類により異なりますが、およそ10年ごとのメンテナンスが必要となります。また、ウッドデッキの場合、使用されている材料により、シロアリ被害に遭うこともあります。ウッドデッキの耐用年数とは別に、防蟻処理が必要で、5~10年ごとに対策しましょう。
使用頻度によりますが、5~10年ごとの交換や貼替を行うことで、家を長く美しく保てます。
使用されている材料により異なります。ただし、使用頻度の高い蝶番は、5年ごとに点検し、調整を行いましょう。
システムキッチンやシステムバスの耐用年数は、およそ20年です。このタイミングを目安に交換を行うとよいでしょう。ただし、水栓のパッキンなど、ゴム製の部材の耐用年数は、およそ10年です。水漏れなどにより、建物内部への浸水の恐れがあるため、パッキンなどの部材は、7~8年を目安に交換が必要となります。
日頃のお手入れによりますが、トイレはおよそ15年、洗面台はおよそ15年~20年が交換の目安です。洗面スペースに、洗濯パンを置いている家も増えています。洗濯パン自体は、耐用年数が20~30年ですが、シーリングの耐用年数が5~10年となるため、5年ごとに点検を行うとよいでしょう。
給排水管の耐用年数は、材料により異なりますが、20年ごとに点検を行い、水漏れなどがしていないかを確認します。排水管は、カスなどが付着し、詰まりやすくなるため、5年ごとに高圧洗浄を行うことで、悪臭の発生なども防げます。
外壁や内部の壁や床などは、自分の目で確認できますが、内部構造や給排水管は、目で見ることができません。補修が必要な状況となっていた場合、家そのものに深刻なダメージを与えかねないため、専門家による点検が重要です。
メンテナンスのタイミングと重要性を理解し、定期的なメンテナンスを行うようにしましょう。
家のメンテナンスは、家を長きにわたり美しく保ち、毎日を快適に過ごすためにとても重要です。メンテナンスを行わずそのままにしておくと、いざ、補修やリフォームをする際に、予想外の費用がかかることがあります。
メンテナンスは、自分で行えるものもありますが、ほとんどは専門の業者に依頼する必要があります。家を新築する際には、ハウスメーカーに相談し、メンテナンスについても十分に検討しておくようにしましょう。
住まい探しの情報収集や知識を身に付けたら、
まずは、ご希望条件に合ったモデルハウス探しや、お近くの展示場を探してみましょう。
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