家づくりを計画している方にとって、住宅ローン減税は心強い味方。住宅ローン減税を活用すれば所得税や住民税が一部控除されます。この制度、毎年の税制改正で少しずつルールが変わるのをご存知でしょうか。住宅ローンを利用する場合は、しっかりとチェックしたいものですね。さて、2022年の税制改正ではどのような変更があったのでしょうか。今回は、今年の税制改正における住宅ローン減税のポイントをご紹介します。
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住宅ローン減税とは、正式には「住宅借入金等特別控除」と言い、住宅を取得する際に利用するローンの金利負担を軽くするために設けられた減税制度です。住宅ローン減税の歴史は古く、1972年に導入された住宅取得控除がその始まりです。現在の住宅ローン控除は、住宅ローンを利用して住まいを購入した場合に、毎年末の住宅ローン残高に応じて所得税や住民税が控除される制度となっています。
住まいは多くの人にとって人生で最も大きな買い物です。家電やインテリアなど、家づくりに付随する消費も多くあり、日本経済に与える影響は大きなものがあります。こうした理由から住まい購入をバックアップする制度として定着。住宅ローンを利用して住宅の新築・取得または増改築等をした場合、契約時期と入居時期に応じて最大13年間、各年末の住宅ローン残高の一定割合を所得税額等から控除する制度として、多くの方々に利用されています。
住宅ローン控除が適用されるためには、いくつか条件があります。主なポイントをピックアップしてみました。
自ら居住することが条件となります。投資用マンションや土地のみの場合は適用されません。ただし、一時的に本人が住まないものの、その間家族が住んでいる場合は適用を受けられます。
床面積が50㎡以上ある住居が対象となります。
自宅を事業として利用する場合は、住居用スペースの割合が1/2を超えている必要があります。
10年以上の返済期間がないと適用を受けられません。適用を受けている期間でも、繰上げ返済などで、最終返済月までの期間が10年未満になった時点で適用が受けられなくなるので注意が必要です。
合計所得金額が2000万円以下の方が適用を受けられます。合計所得金額は、給与所得、不動産所得、譲渡所得、雑所得などを含む合計金額となります。
では、2022年税制改正における住宅ローン控除の変更点をおさらいしましょう。まず抑えておきたいポイントは、控除率が1%から0.7%に下がったこと。これは、例えば変動金利で0.5%程度の低金利で借入れ、住宅ローン控除1%の恩恵を受けて、控除期間ずっと0.5%利益を得るなど、住宅ローンの乱用を防ぐためでもあります。
次の変更点は、控除期間が10年から13年に伸びたこと。控除率を下げた代わりに控除期間を伸ばした格好です。また合計所得金額は、3000万円以下から2000万円以下に下がりましたが、特例で1000万円以下であれば、床面積が50㎡以上とされてきた条件が緩和され、40㎡以上でも可能となりました。
さらに、政府のカーボンニュートラル(2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする宣言)を受けて住まいに省エネ性能を求める傾向はますます強まっています。2022年の改正では、新築住宅の場合住宅ローン借入限度額が3000万円ですが、長期優良住宅・低炭素住宅なら借入限度額が5000万円に上乗せされます。
また、ZEH(ゼッチ)水準省エネ住宅なら4500万円、省エネ基準適合住宅なら4000万円まで借入限度額が増えます。また、2024年以降の入居の場合(2023年までに新築の建築確認)は、省エネ基準に適合しない住宅は、住宅ローン控除が受けられなくなります。省エネ性能は、今後の大きなトレンドであることを認識しておいてください。下記に改正のポイントをまとめましたのでご参照ください。
※借入限度額は、すべて2022年・2023年入居の場合
長期間居住できるよう維持保全ができ、バリアフリー、省エネ性、耐震性など一定の基準を満たした住宅
二酸化炭素の排出を一定以下にできる省エネ性に優れた住宅
ZEH(ゼッチ)とは、「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略。太陽光発電など自然のエネルギーを利用して、住まいのエネルギーをネットでゼロにすることを目指した住宅
一定の基準をクリアした省エネ性能に優れた住宅
2022年の税制改正における住宅ローン減税の主な変更点について取り上げました。今回の変更点の目玉は、控除率が1%から0.7%に下がり、控除期間が10年から13年に伸びたこと。これは、本文でもふれたように低金利に乗じて、住宅ローン控除によって利益を得る行為を是正するため。控除率を下げた分、控除期間を長くしたものとみられます。所得制限も下がりましたが所得1000万円以下なら床面積40㎡以上でも住宅ローン控除の制度が利用可能になるなど、一般層への利用を促進する狙いが窺えます。また、省エネに優れた住宅への優遇がより顕著になりました。このトレンドは、今後さらに大きくなることが予想されます。
住まい探しの情報収集や知識を身に付けたら、
まずは、ご希望条件に合ったモデルハウス探しや、お近くの展示場を探してみましょう。
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